WORKS APPLICATIONS

【CF2017Digest】ニトリのグローバル人財育成

掲載日

2018年4月10日(火)

ニトリのグローバル人財育成
教育こそ最大の福利厚生である



「ニトリの配転教育対象に例外はない。役員に対しても、店舗でお客様対応にあたる人事異動も出る。」
その独自の教育手法の背景には創業当時からの壮大なロマンがあった。日本国内外の配転教育を推し進める五十嵐氏が、ニトリの特性を踏まえた上で、教育方針・施策の全貌・グローバルでの展開状況・システムの必要性について語る。

2017年11月22日(水)に開催した「COMPANY Forum 2017」での株式会社ニトリホールディングス 執行役員 組織開発室室長 五十嵐明生氏の講演内容をダイジェストでお届けします。



“配転教育”は人財育成に不可欠多数精鋭主義の実現へ


2016年度で30期連続増収増益を達成したニトリ。その成長を支えるのが独自の人財戦略だ。なかでも全社員を対象に、2年に1度の頻度で現場や本部を越えた異動を行う“配転教育(配置転換教育)”は、人財育成の主軸であるという。この過酷ともいえる配転教育はなぜ生まれたのか。
ニトリは製造から販売までを自社で行う製造物流小売業のビジネスモデルを構築し、手頃な値段で自分好みに合わせてコーディネートできることで豊かな暮らしを提供するという創業以来のロマン(企業理念)を実現してきた。それゆえ多種多様な職種・職位が存在し、他分野の業務までを理解する人財が求められた。「ロマンを実現するには、多くのスペシャリストを育成しなければならない―配転教育は“多数精鋭主義”を実現するための教育の柱」と五十嵐氏は語る。さらに、配転教育は採用時からの人財育成に対する強い思いがあってこそ実現できるのだという。
常に前向きに変革に挑む人財だからこそ、配転教育に対しても前向きに受け入れられる。さらに入社後は、“80歳から逆算したキャリアプラン”を年2回作成。「数年後ではなく、もっと先のゴールから逆算して今の施策を考えることで、自分のキャリアに対する考え方が変わる」といい、配転起案担当が5,000枚超の申告書類を読み込む。
「あ、この人は変化点を迎えたな。やはりこの人はこの分野を突き詰めたいと書いてきたな」と 個々のキャリアプランを確認した上で、配転教育に繋げていく。これに加えて、適性、ライフプランを考慮し発令を出すからこそ、社員の納得性も高く、効果的な教育施策となるのだ。


例外なしの配転教育店舗経験が変化対応力を育てる


配転教育で特に重要視しているのが店舗をはじめとした現場での経験だ。「店舗でしか掴めない気付きがあることは事実」と五十嵐氏は断言する。「例えば、お客様はお店で手に取った2つの商品のうち、片方を戻してもう片方をお買い上げになる。なぜこの商品は売れないのか、見せ方が悪いのか、機能が不足しているのか、値段が合わないのか、POSデータからではその理由まで分からない。」日々めまぐるしく変化する顧客の要望は、実際に顧客と直に接してこそ見えてくる。その機会を唯一得ることができるのが店舗なのだ。
一人あたりの生涯平均配転回数は20回、2年に1度は配置転換を経験する。2016年に発令された人事異動数は3,000以上にも及ぶ。つまり、毎週50~100人の異動発令を出していることになる。「配転対象に例外はない。役員に対しても、店舗でお客様対応にあたる人事異動も出る。」店舗への異動に対して中途入社の社員は驚くこともあるが、店舗勤務を終える頃には皆一様に前向きな感想を口にするという。本部から現場へ異動することで、自分が行った業務が現場でどう根付いているかを確認でき、さらにより良くするためにどうすべきかを考える機会となることで、今後の自らの役割を明確に描けるようになるからだ。
「数年して再び異動発令が出る頃には『待っていました!』といわんばかり。自分の施策が通用するのかどうか現場に戻って試したい等、不足した現場の知識を求めるからである」と五十嵐氏は語る。




細やかな“グローバル配転教育”を支える「COMPANY」


「2007年、台湾に海外第1号店をオープン。ニトリのビジネスは世界へと拡がり、それに伴って配転 教育もグローバルに展開されていくこととなった。海外での事業規模拡大につれ、情報収集や管理 はより困難となったが、従来のシステムにExcel等で情報を継ぎ足し続けた。結果、データは散在し、担当者はデータを集めて資料化することにかなりの工数を費やしていた。
「2014年にワークス社の『COMPANY』を導入したのは、さらなるグローバル展開を見据え、詳細な社員情報を多言語で一元管理できるシステムを求めたから。国を越えた配転は『COMPANY』で なければ実現できなかった」と五十嵐氏は述べ、「COMPANY」の選定理由として、国ごとに社員番号を変えることなく配転・評価・教育等の履歴管理ができること、グローバル統一のデータベースを構築できること等を挙げた。導入後は、異動起案の内容検討に必要な情報を各国各店舗から収集・管理できるようになったことで、ニトリグループとしての共通の認識に基づいた配転教育を実現できているという。
配転教育に対する海外の現地社員の反応については、「日本以上に自分の職種・スペシャリティを活かしたいという志向が強い。実際に台湾の店長も日本の店長と同様の配転教育を受けることで同等の技術を得たスペシャリストに育ってきている。今では台湾27店舗中26店舗の店長を台湾籍社員が務めており、国外でも多数精鋭主義が形になりつつある。日本のやり方がまるっきり通じないわけではないと実感している」と述べた。
最後に五十嵐氏は、今後の展望をこう語った。「ニトリのロマンとビジョンを実現することで世界 中の人々の暮らしを豊かにしていきたい。そのためには、まだまだスペシャリストが不足している。今後とも継続的にグローバル規模での人財づくりに励んでいきたい。」






ワークスが主催する「COMPANY Forum」は、その年のトレンドに合わせた有識者や企業の方々に登壇していただくビジネスフォーラム。国を挙げて“働き方改革”が叫ばれた2017年は、Workforce Innovationをテーマにし、人工知能(AI)をはじめとする最先端技術・ビッグデータの活用等、多彩なセッションを開催しました。






関連記事はこちら

本サイトは、快適にご覧いただくためCookieを使用しています。閲覧を続ける場合、Cookie使用に同意したものとします。 Cookieポリシーを表示