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中国ビジネス最前線 第2回

掲載日

2018年4月5日(木)

中国ビジネス最前線 第1回
なぜ中国の大学教育がアツいのか、優秀な人材を輩出する理由とは?

中国ビジネス最前線 第2回
“双一流”が生み出す“一流”たち




双一流とは?―「211プロジェクト」「985プロジェクト」に次ぐ新たな教育施策


前回のコラムに中国の優秀大学カテゴリーの211プロジェクト、985プロジェクトを書いたが、実は2017年にこの二つが統合され「双一流」という制度に変わっている。一流大学群の211と985の二つを合体したという意味ではなく、世界に通用する“一流”大学、“一流”学科、すなわち二つの一流教育システムを構築しようとネーミングしていることである。

同年9月の中国政府教育部の発表では一流指定大学は42校、一流学科指定大学は95校に再編された。この制度がユニークなのは、一流大学はさらにA類36校(北京大学、清華大学など)、B類6校(東北大学、湖南大学など)の区分けがあり、B類は5年ごとに見直され評価が低いと降格され別の大学が昇格してくる、まさにB類はリーグ入れ替え戦の対象になることだ。評価項目や評価基準は一般には開示されていないが、客観的かつ公平に判断できる仕組みにしてあると教育部の高官は説明する。





こういう仕掛けがあるとますます大学間の競争がヒートアップしてくる。優秀な教員と学生を確保し、研究成果を上げ、論文を多数発表し、海外一流大学と研究交流を深めなければならないなどかなり忙しい。国から莫大な助成金が出ているが、さらに上を目指すには十分とは言えず、個人や企業からの寄付金を集める能力も必要になる。



わが社も北京大学に図書館建設資金や奨学金基金を設置し僅かだが寄付をしている。奨学金は学生個人の勉学費に資するわけだが、拠出した企業側は善意プラスいささかの下心がある。会社の名前を知ってもらいたい、できることなら優秀学生を採用したいと。



中国の優秀学生が語る、入社の決め手


奨学金受給者側はどう思っているか、実際にわが社の社員に入社動機を訊いてみると奨学金は就職先選択とは全く関係しないと言い切っている。彼らのほとんどはA類大学のコンピュータサイエンス学部卒業で、BAT(百度、アリババ、テンセント)からも奨学金をもらい内定オファーを受けたが、最終的にわが社に入社を決定した。その理由は二つである。





一つ目は、BATでは特定の専門的な知識を求められ、かなり狭い技術領域しか任せてもらえない。わが社ならアプリケーションを俯瞰しプロセスを設計し、その必要機能のソフトウエア化をチームで任せてもらえるので、プロジェクトとしての達成感を味わえる。二つ目は、外資系であること、外資系は中国特有の縁故などのしがらみが少なく、実力だけが公平に評価されると言っている。実際にその通りだが、意外にも報酬の多寡にはそれほど固執していないことに青年のさわやかさを感じてしまう。



企業版“双一流”を目指して


学生や転職希望者にとって会社の実情を知りたいのはやまやまだ。そのニーズに応え、中国では求職者に人気の知乎(ジーフ、「ほとんど知っている」の意)というQ&Aサイトがあり、アプリ版もリリースされている。様々な質問が投稿されるが、企業に関するものも多く、「XX企業の働きがいはどうか」などと入力するとその企業の社員や知人が本名または仮名で答えている。





皆まじめに本質で語ろうとしている姿勢は日本のNewsPicksにイメージが近い。ちなみに中国のわが社を検索すると「アリババとワークスはどちらが就職先としていいか?」や「ワークスはどんな会社?」に対して長文で経営状況、製品、報酬、発展空間など事細かに解説しており、私が読んでもかなりの部分で納得感があるが、日本人駐在員の人柄や言語能力まで観察し言及しているのには戸惑いを覚えた。しかし、こういう本音で真摯に投書をしている彼らとは腹を割って対話し、一緒に仕事をするのが楽しい。私も中国で一流の社員とともに一流のERPベンダーを、すなわち企業版“双一流”を目指したい。





ワークスアプリケーションズ中国 董事長

北京大学特別招聘教授

上海外国語大学特別招聘教授

一般社団法人コンピュータソフトウェア 協会国際担当理事

五十木 正(Tadashi IKARUGI)

ワークスアプリケーションズ中国 董事長

北京大学特別招聘教授

上海外国語大学特別招聘教授

一般社団法人コンピュータソフトウェア 協会

国際担当理事

五十木 正(Tadashi IKARUGI)








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