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失敗しないシステム導入 ~パッケージ選定に必要な手順とは?~

掲載日

2018年8月1日(水)

失敗しないシステム導入
~パッケージ選定に必要な手順とは?~

失敗しないシステム導入
~パッケージ選定に必要な手順とは?~


販売管理・調達管理・在庫管理システムなどとは異なり、人事給与システムや会計システムはいわゆる既製品の「パッケージシステム」を導入する企業が増加しています。オーダーメイドのシステム構築と異なり、パッケージ選定は事前に様々な観点からチェックする必要があります。パッケージを比較検討する際は、自社の業務にあった個別機能を開発するのではなく、自社の業務を網羅できる機能を備えているか細かく検証する必要があります。また、現行業務を担保するのみならず、将来的に業務改善・効率化が実現でき、結果としてシステム投資の投資対効果が算出できている方が望ましいと言えます。



パッケージ選定に潜む3つの落とし穴

要件の決定、提案依頼の作成、予算取得、ベンダーとの交渉といったパッケージ選定には数々のプロセスがあり、同時に多くの「落とし穴」が潜んでいます。

例えば現状調査が不足しており、関係各所の業務が全て洗い出せていないかもしれません。現行業務の洗い出しが不足すると、新しいパッケージシステムを導入しても、機能不足といった事象に陥る可能性があります。 または、円滑にシステム導入が完了したにも関わらず、社内でシステム投資に対する期待効果が十分に共有されていなかったために、実際にはシステム導入が「成功した」と認知が得られなかったケースもあります。


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こういったパッケージ導入の失敗事例の多くは、以下の3つの「不足」に集約することができます。

  • 業務の洗い出し不足
  • 業務の見直し不足
  • 導入効果の評価不足

こういった「不足」は、どのように防ぐことができるのでしょうか。



業務の洗い出し不足を避けるためには?

パッケージにどのような機能を求めるかを知るために、現行業務の洗い出しを網羅的に行います。

業務の棚卸ができていなかったがために、従来のシステムでは運用できていた業務が新しいシステムではできなくなったり、非効率的な業務になってしまったりするケースが往々にして存在します。 長年自社開発をしてきた場合や、パッケージに対して多数の追加開発を施している場合は、現行システムの機能の全体像を正しく把握していない場合もあるかもしれません。

今システム化できていることを新しいパッケージを導入しても継続できるように、現行業務や機能を正しく行う必要があります。


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業務の洗い出し不足には、大きく「広さ」と「深さ」の2つのパターンがあります。

「広さ」の不足
特定の業務領域に関する要件が丸ごと抜けてしまうケースがあります。 この問題は、各担当者がただ社内の業務を羅列することで業務を洗い出したことに起因します。 「広さ」の不足を防ぐためには、部署・担当ごとの業務体系を作成し、大枠となる業務の分類を決めておくことで、取りまとめの際の重大な漏れを防ぐことができます。

例えば給与計算を考えてみましょう。 一般社員についての給与計算の業務フローについてはきちんと業務の棚卸ができたとしても、例えば一部社員にのみ海外給与計算が必要で、その業務は実は担当者が手計算で行っていたといった場合には、そちらももれなく記載する必要があります。しかし、この担当者は「今システム化できていることだけを記載すればいい」という認識違いを起こしているかもしれません。 こういった事態を防ぐために、大枠となる業務の分類をあらかじめ決めておくことは、非常に重要なのです。

「深さ」の不足
大枠となる業務の分類を決めていたとしても、どこまで細かく業務を洗い出せるかどうかも重要な観点です。

毎月必ず実施している業務であれば、業務棚卸の際に漏れる可能性は低いかもしれません。 しかし、イレギュラー的に発生する業務で、実は非常に負荷がかかってる業務であれば、どうでしょうか。

こちらも給与計算を例に考えてみます。 A「海外社員の給与計算を実施する」 B「海外社員の赴任地に応じた購買力指数や物価指数などを考慮して、給与計算を行う」 AとBとでは、その業務の粒度や深さが全く異なります。どちらの書き方が、導入時の失敗を防ぐことができるでしょうか。

こういった「広さ」や「深さ」の不足リスクを意識しつつ、業務の洗い出しを行うことができなければ、本来効率化・自動化できた業務を効率化・自動化する機会を失うこととなります。

なお、こういった事態を防ぐために、一般的なテンプレートを利用するのも一つの手段です。 弊社でも、一般的な大手企業の業務一覧に関するテンプレートを保有しています



業務の見直し不足を避けるためには?

では、現行業務や現行システムの機能を全て網羅できていれば、それでよいのでしょうか。

新しいシステムを導入するには費用がかかります。そのため、その投資に値するだけのシステム導入の価値を証明する必要があります。 そのために、現行業務の課題のうち、新システムで一定の効果を見込む必要があります。


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業務の見直し方法には、大きく2つの方法があります。

業務を無くす
一つは、その業務を無くすという方法です。 企業規模が大きければ大きいほどに、無くすことのできる業務というのは多く存在します。例えば、誰が見ているのか分からない帳票作成や、どういった場面で使われているのか分からないデータ入力などの「無駄かもしれない業務」が貴社にもあるかもしれません。 システム入替は、業務を無くす絶好のチャンスです。

業務のやり方を変える
もう一つは、その業務のやり方を変えるという方法です。 例えば、ペーパーレス化。今までは従業員に紙に記入して提出してもらっていた各種申請書をWeb化し、管理部門での入力業務を減らすことで、社内全体で削減できる工数は非常に大きなものがあります。 しかしながら、このような業務改善は、運用変更の社内コンセンサスを取りながら、新しい業務手順を丁寧に周知しなければ成功しません。成功のためにも、他社の成功事例などを参考にしましょう。



導入効果の評価不足を避けるためには?

現在の経営者は、数々のIT投資に関する失敗を体験・伝聞してきた世代です。その結果として、企業はより安心・安定したシステム導入を期待し、また、より正確な効果測定を要求しています。 営業管理・販売管理システムや生産システムといったフロント系のシステムと比べ、会計システム・人事システムは低コストで運用できるということが非常に強く要求されます。とはいえ、複雑多岐にわたる業務処理が存在する大手企業においては、バックオフィス系のシステムも中小企業のシステムと比較して、高機能・高額にならざるを得ません。 そのため、投資対効果に関する適切な指標がなければ、「バックオフィスのシステムであるのに高額すぎるのではないか」といった経営者の不満を招くこととなります。

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このような経営者の不満を招かないためにも、新システムを導入する前に、投資に対する説明責任を果たすための適切なKPIを設定しておきましょう。 このKPIは、その企業のシステム状況に応じて設定する必要があります。 自社開発システムの場合は、現在かかっている維持費を可視化するのも一手です。業務を棚卸した結果に対して、現状どれだけ工数がかかっているのかを明確化し、新システムを導入することでどれだけの工数削減が見込めるかを算出しておくことも有効かもしれません。



3つの不足を防ぐ、理想的なパッケージ選定の手順

上記をまとめると、以下のようなプロセスを経ることが望ましいと言えます。

  • 現状調査…現行業務や課題の洗い出しを行う。なお洗い出された業務・課題の体系化・分類化と、各業務にかかる概算工数が算出できている状態が望ましい。

  • 要件策定…新しい業務の流れを決定し、新システムに求める機能要件の一覧を作成する。

  • 予算取得…新システムに求める期待効果を明確にしたうえで、必要な予算を上申する。どれだけのコスト削減ができるのか、といった定量的な期待効果のみならず、定性的な効果も明確にできていることが望ましい。

  • 提案依頼・選定…提案依頼書を作成する。また、機能以外でシステムに求めること(インフラの運用面等も委託したいのかなど)を書きだし、各ベンダーの選定を行う。

弊社では、お客様のバックオフィスシステムの検討を支援するための様々な情報提供を行っています。
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