【ユーザー会レポート】Executive Forum 2019 講演「人事が生み出す働き方改革の価値とは」

2019年3月5日、ワークスのユーザー企業の人事部門長が集う人事部門長勉強会「Executive Forum2019」を開催しました。

ワークスでは、すべてのお客様が同じパッケージソフトウェアを利用しているからこそ、ユーザー企業同士が業種を超えたつながりをもち、事例や課題を共有し合うことができるという特長があります。ユーザー企業の動向から得られる業務トレンド・ノウハウや、製品の実運用に踏み込んだ様々な意見交換によって、自社の課題解決を図り業務改善を実現する、さらには製品のより一層の強化へつながるというグッドサイクルが生まれています。

数あるユーザー交流イベントの中でも、このたびの「Executive Forum2019」では、総勢48社60名が参加し、「働き方改革」について議論しました。

Executive Forumとは

人事部門の抱える課題をテーマとしたディスカッションを通し、人事部門長様同士で情報交換をしていただく勉強会です。
ダイバーシティやタレントマネジメント、働き方改革などに象徴されるように、人事部門が深く理解し、議論すべき話題は尽きません。
そして、昨今ではRPAなどの登場にともない、「人事プロフェッショナル」のあり方が変わりつつあります。

このような背景から、Executive Forumでは

  • 外部講師を招いた講演
  • 先進的な取り組みを行っているお客様事例の紹介
  • ディスカッション形式での取り組み事例の共有
を行っています。

Executive Forum2019 Time table

第1部 講演 人事が生み出す働き方改革の価値とは

第2部 講演 新しい働き方を実践するために人事は何をすべきか

第3部 テーブルディスカッション  ◆ テーマ「働き方改革」

第4部 懇親会

 

本記事では、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社 パートナー ピープルアドバイザリーサービスリーダー兼ビジネスデヴェロップメントリーダー 鵜澤慎一郎氏の講演内容をダイジェストでお届けします。

鵜澤様.PNG日本企業、人事部門において大きなテーマである働き方改革。鵜澤氏はこれまでの働き方改革の延長線上を目指すのでは不十分だと指摘する。日本の生産性向上の難しさ、さらに目指すべき人事のあり方について語る。

 

日本企業の働き方改革―これまでとこれから―

日本の働き方改革はここまで、コンプライアンス対応が主になっている実情がある。例えば残業時間の抑制、残業代支給管理、出退勤打刻管理、健康管理等、加重労働抑制対策に主眼を置いてきた。しかし、これからは生産性向上に目を向けるべきであると鵜澤氏は指摘する。

いまだ世界3位のGDP大国の地位を守ってはいる日本だが、その実情は労働生産人口の大きさによる部分が大きい。その証拠にドイツやフランスといったGDP上位の各国の労働生産人口は日本の半分にすぎない。これからの労働生産人口は減る一方であるので、生産性向上が重要な鍵となるといえるだろう。

しかし、「生産性向上が必要な反面、日本の生産性向上には構造的な難しさが存在する」と鵜澤氏は語る。

 

鵜澤氏の語る「日本の生産性向上が難しい4つの理由」

 

  1. 産業構造の変化 すでに日本はモノづくりの国ではない。
    国全体としての生産性を上げるためには、IT産業や金融業など、そもそも資本集約的で生産性の高い事業に力を入れている必要がある。長らく「ものづくり」の国であった日本だが、近年は医療福祉といった労働集約型の産業の伸びが顕著になっている。そのため、今後もなかなか資本集約的な産業構造への移換は困難だと考えられる。

  2. 働き手の高齢化と年功的賃金体系と終身雇用モデル
    年功賃金体系が主流の日本。年齢が高くなるにつれ、給料も加速度的に上がる賃金形態をとっている以上、高齢層のボリュームが増えれば、ROIは低くなる一方となる。

  3. IT/デジタル需要に対する専門人材の圧倒的供給不足
    日本企業においてIT人材は圧倒的に不足している。デジタル変革による高付加価値ビジネスへの転換も、RPAに代表される自動化や省人化も、専門人材が増えなければ進まない。

  4. 人材のモビリティ(国際間移動)の難易度高
    海外リソースの活用も言語面や地理面での理由からハードルが高い。

 

IMG_0034.JPGではどうすればよいのか。

―「ひとつ言えるのは5年後、10年後の会社の将来を左右するのは”ひと”だ。危機感を持って働き方改革をとらえたい。」鵜澤氏は続ける。 

 

 

 

 

バックオフィスではなく、経営の一員として考える

日本の生産性向上の難易度をふまえ、その上で人事が日本企業の成長に役立てる方法を考えてみよう。「バックオフィスではなく、人事もビジネスと同じ立場に立つべき」だと語る鵜澤氏。人事がより高い価値を提供するための筋道を2つ提示する。 

  1. 人事中計の策定
    今後のビジネスの展開や実現性を経営中計に記すように、人事も経営中計に沿った人事中計を作るべきだ。ビジネス側が掲げる高付加価値ビジネスへの転換やコスト削減に、人事が積極的に参画することが重要であるといえる。

  2. 顧客視点を取り入れる
    ビジネス側が取引先やユーザーといった顧客を意識する一方、人事は人事にとっての「顧客」、すなわち経営層や従業員を意識することでより高い価値を生み出すことができる。例えば人事部門の評価を人事部内でつけるのではなく、経営や従業員のフィードバックを反映したり、市場に人事データを公開し外部からの評価を得たりすることで、「顧客を意識した人事」を作ることができる。

 

近年、人事データを経営指標に取り入れる事例も欧米諸国を中心に広がりつつある。同様に日本でも、人事データを経営指標に取り入れることが議論・検討されている。*

これからの働き方改革はこれまでのあり方の延長線上ではなく、「バックオフィスからビジネスの観点に、それが人事を、ひいては会社をかえていく方法だ」と締めくくった。

 

*金融審議会の報告書「資本市場の好循環の実現に向けて」(2018)など

本サイトは、快適にご覧いただくためCookieを使用しています。閲覧を続ける場合、Cookie使用に同意したものとします。 Cookieポリシーを表示