ワークフローシステムの機能選別で確認すべき3つのポイント

ワークフローシステムは、稟議・報告書・届出申請の承認手続きを効率化するには最適です。ワークフローシステムを活用し、各種承認手続きを電子化することで大幅な業務改善を見込むことができるでしょう。また、必要な情報共有と検索性の向上、セキュリティの強化、承認履歴の正確な記録など、単なるペーパーレス化以上の効果を発揮することも想定されます。

しかし、業務が特殊である場合や、承認手続きが非常に複雑な場合、最適なワークフローシステムを導入しなければ期待した効果を得られないこともあります。たとえ大きなシェアを獲得している製品や、豊富な機能を取り揃えている製品であっても、自社の業務の特殊性によっては機能が適合しないリスクがあります。

そこで、この記事ではシステムを選定する上で知っておくべきワークフローシステムの代表的な機能例をご紹介します。
さらに、その中から自社に合った機能選別を行うポイントについて解説します。

ワークフローシステムの機能について

ワークフローシステムでは、一般的に以下のような機能が含まれます。

申請段階で用いられる機能・用語
進行状況確認 申請した稟議の進行状況を確認する
取り下げ 申請した稟議が承認される前に、申請者自らで稟議を取り下げる
複製 過去に作成した稟議を複製し、編集して再利用する
編集可否設定 稟議の進行中に、編集を許可するか設定する
承認段階で用いられる機能・用語
自動承認 ある条件を満たしている場合に自動で承認する
同時承認 フォークした後に複数のステップで同時に担当になっている場合、一括で承認を行うことができる
代理承認 担当者の代わりに申請書を承認する権限を他のユーザーへ付与する
却下 申請書の内容から判断し、承認を認めない
差戻し 申請書の内容を修正するように申請者へ戻す
担当者変更 申請書を承認する担当を変更する
署名 任意の画像または自動生成された印影を表示する
どの段階でも用いられる機能・用語
コメント 申請書に担当者からのコメントを記入する ※差戻しの際に、何が原因で差戻すのか等を明示する際に役立つ
履歴確認 申請書が担当者の元まで渡るまでの経由を確認する
レビュー 申請を開始する前に、上司等に文書のレビューを依頼する
通知 申請書の情報(内容・フロー)が更新された際に、担当者に通知する
変更点確認 元の申請書から変更された部分を明示する
リマインド 申請書に対して何らかのアクションを担当者へ依頼する
ファイル添付 申請書にファイルを添付する
担当指定 申請書の次の担当者を指定する
モバイル モバイル端末上で申請書の作成・申請・承認を行う
管理する上で用いられる機能・用語
データ出力 申請書データをある形式(CSV・印刷・PDFなど)で出力する
アクセス制限 申請書に対する権限(閲覧・編集・削除・返答など)を管理する
監督 管轄内のワークフローをすべて参照することが出来る ※承認の滞っている文書等がないかを監督したい場合などに用いる
ステップ ワークフローパターンの一つで、一担当者から一担当者へ渡る、最も一般的なパターン
フォーク ワークフローパターンの一つで、一担当者から複数の担当者へ承認タスクを分ける
マージ ワークフローパターンの一つで、フォークされたフローを一つに集約し直す
条件分岐 ワークフローパターンの一つで、一定の条件に沿ってその先のフローを替える
遷移条件 フローを進めるために達成される条件を設定する(例:一人が実行した時点で遷移する / 担当者全員が実行するまでは遷移しない / 担当者のうち〇名が承認したら遷移する)
言語設定 ワークフローシステムそのものの言語を設定する
他システム連携 ワークフロー以外のシステムと連携する
設計画面 ワークフローそのものを設計する画面 ※可視性が高いほど設計がしやすいため、ワークフローシステムでは特に要となる
 

このように、ワークフローシステムには多種多様な機能が備わっています。
その反面、すべての機能を把握して使いこなすことは困難ですし、また、その必要もありません。重視すべきは、自社の業務との適合率です。その適合率を高めるために、機能選定は非常に重要なポイントです。 

では、どのような点に注意してワークフローシステムの機能選定を行えばよいのでしょうか。

ワークフローシステムの機能選定の注意点

ワークフローシステムの機能選定を行う際には、以下の点に注意する必要があります。

1.社内ルールの理解

数多くのワークフロー機能から適切な機能を採用するために、まずは社内ルールを確認する必要があります。社内ルールとは、「社内で稟議を通す際にたどる全てのプロセス」のことです。例えば、「承認」業務を例にとっても、付随する「根回し」「レビュー」を受ける方法は、会社によって大きく異なります。申請前の「根回し」や、上司・同僚による「レビュー」は稟議書そのものには記録されません。しかし、業務として認識しておかなければ、システム導入の効果が半減するリスクがあります。

社内ルールを確認する際は、一つの業務フローに対して発生するアクションごとに、ステップを細かく分解していくことが大切です。

一般的な稟議のプロセスでは

『作成➞申請➞部門長承認➞経理部決裁』

と表現されるところを、例えば以下のように分解します。

『作成経理部社員へ根回し(社内ルール)上司レビュー(社内ルール)申請➞部門長一次承認経理部社員プレビュー➞経理部門長決裁』

稟議の流れを一つ一つのステップとして分解していく作業は、必要な機能を選別する際に非常に役立ちます。

稟議プロセスの分解イメージ

2.働き方・仕事の仕方との一致

どのように仕事を行うのか、そのスタイルや文化は会社によって様々です。承認業務のあり方やワークフローシステムの位置づけは、その影響を大いに受けます。

例えば外出がちな職種がある、リモートワークを許可している、管理職の海外出張が多いなどの勘案すべき事情はないでしょうか。こうした事情に応じてワークフローシステムは、モバイルからアクセスできる、社外ネットワークからもアクセスできるといった機能を備えている必要が出てきます。円滑な承認業務を担保するためにも、きちんと社員の働き方・仕事の仕方を理解しておきましょう。 

働き方の違いは、職種ごとに異なることもあります。例えば「子育てをしている社員のみリモートワークを認めている」といったケースもあります。そのような例外社員の働き方もきちんと考慮したシステム選定をすべきです。イレギュラーな働き方への対応を怠ると、そのたびにシステム外で処理すべき内容が増え、手作業が多くなり、本来得たかった効率化効果が得られなくなります。

署名の方法も会社によって異なります。サインを書くのか、印影を残すのかといった細かな業務スタイルに対応できる機能がワークフローシステムに備わっているかどうかを見極めなければ、適切な機能選別ができているとは言えません。「承認行為」が業務の主たる目的であるワークフローシステムにおいて、署名の方法がどのように行えるのかは確認しておきたいポイントです。

3. 連携先システム・連携元システムとの親和性

既に稼働しているシステムとの親和性も必ず確認すべき点です。

既に利用しているシステムとどのように連携するのか、また、連携可能なデータはどの範囲なのかを確認しましょう。
一般的な連携方法は、親システムのデータをCSVやXMLファイル形式で出力し、ワークフローシステム側でそれらを取り込む方法です。データ連携を自動化したい場合は、より高度な連携が可能かどうかを確認します。

既存システムとの親和性がないワークフローシステムを採用してしまうと、導入時に非常に大きなコストがかかってしまうリスクがあるだけでなく、運用時の業務効率化の弊害にもなります。 

まとめ

以上、ワークフローシステムの機能とその選定方法についての解説を行いました。

ワークフローシステムは導入することにより大きな効率化が見込める製品ですが、必要な機能の見極めを誤ると、業務との不適合によりシステム自体が活用されなくなり従来の非効率的な業務のやり方が継続されてしまうリスクがあります。

そういった事態を回避するためにも、まずは社内ルール、働き方・仕事のスタイル、連携システムを十分に確認しましょう。

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