開発ツールを効果的に活用するには?乗り換え・導入の課題や正しく選ぶための情報を解説
開発ツールは開発にかかる工程を自動化、省力化し、スピーディーなシステム開発を実現します。現代企業にとってソフトウェアやアプリケーションの開発は、ビジネスの成否につながる重要な課題です。開発ツールの的確な選択が自社事業の運営に、大きな効果をもたらします。しかし選択を間違えると期待どおりの成果の実現が難しくなります。ここでは開発ツールの導入や乗り換え時に向けて、押さえておきたい情報をまとめて解説します。
目次
開発ツールとは
はじめに、開発ツールの基本的な情報を解説していきます。
開発ツールの概要
開発ツールとは、ソフトウェア・アプリケーションなどの開発を手助けするツールのことです。多くの工程が自動化されるため、開発を省力化・省人化することができます。開発期間の短縮化とともに、基本的な知識があれば多少経験不足であっても、開発を遂行できるのがメリットです。
多種多様な開発ツールが登場しており、開発目的に合わせてさまざまなツールを組み合わせて使用する場合が多くなっています。開発は段階を踏んで進められるため、要件定義・概要設計・詳細設計・テスト設計・コーディングなどシステム開発の各段階に従って、ツールを活用します。
目的に応じて使用できるよう、開発ツールには、「汎用(はんよう)性の高いもの」「ある一定の分野に特化したもの」など、あらゆるタイプがそろっています。
開発ツールの役割
開発ツールには、目的に合わせたさまざまな役割があります。
ひな形を使った定型ソースの自動生成や、プログラム解析による設計書の自動生成、単純な繰り返し作業をひとまとめで実施する統合開発環境などにより、工程を自動化し、開発のスピード化を進め、人手による開発以上に精度を高められます。
また開発ツールを利用することで、開発メンバー間での通知や連携などが容易になり、共同開発を円滑に進めることが可能です。ソフトウェア開発を短期化・持続的な改善をしていくうえで、開発ツールの果たす役割はますます大きくなっています。
モデルチェンジや商品化までのスケジュールが短い現代にあって、一部の人間のみが理解するプログラムコードでの開発では、ビジネスへの対応が難しくなってきています。開発ツールにはローコードから作り込みまで対応可能というものもあり、熟練した技術者を獲得できない場合でも企業独自の業務アプリケーションを開発できるようになってきています。
開発ツールの種類
開発ツールの主な種類には、以下のようなものがあります。
- API(Application Programming Interface)
複数の異なるアプリケーションを連携させる働きを持つツール
- 統合開発環境(Integrated Development Environment)
複数の開発ツールをひとつのGUI上で使えるようにまとめた、開発用のソフトウェア
- 開発工数管理ツール
工数を管理し、業務効率化・生産性向上を図るためのツール
- 超高速開発ツール
ソースコードの自動生成やバッチ処理高速化などにより、開発におけるプロセス削減、開発工数の短縮を実現するためのツール
- テスト自動化ツール
ソフトウェアテストを自動的に行うツール
- バージョン管理ツール
ファイルの変更履歴を記録・管理するツール
開発ツールに関する最近の動向
業務アプリケーション開発においては、2018年ごろから「ノーコード開発」「ローコード開発」が注目されています。「ノーコード開発」とは、ソースコードを全く書かずにアプリケーションを開発する手法。一方の「ローコード開発」は、少ないソースコードでアプリケーションを開発する手法です。
従来型プロコード開発は「COBOL」「C/C++」「Java」などのプログラミング言語を用いて、ゼロから開発するのが一般的でした。しかし開発ツールを活用すれは、設計やプログラミング、テストなどの工程を開発ツールが担うことが可能です。そのため、設計技術さえあれば、システム開発を進めることができます。これにより、高スキルなエンジニアの育成・確保の必要性が低くなり、人材リソースの節約につながります。
ノーコード・ローコード開発のツールでは、各種機能のパーツ(部品)やテンプレートを使い、GUI上でマウスのドラッグ&ドロップ操作のみで組み合わせながら、アプリケーションを開発することが可能です。ノーコード・ローコードは、システム開発の内製化や開発期間の短縮、コスト削減などの導入効果が高く、官公庁でも導入が進んでいます。
一方で、システムの仕様に合わせて業務を変えていく動きも見られます。Notesのようなグループウェアで対応していた企業も、現場の働き方改革につながる新しい開発ツールに移行しており、それに合わせて既存業務の効率化を実施している企業も少なくありません。業務が肥大化しがちな大企業ほどその効果が大きいでしょう。
開発ツールの導入は、人材不足やシステムのブラックボックス化への対策となり、企業におけるDXの推進に役立ちます。DXを阻む課題として老朽化したシステムの存在が挙げられますが、その具体的な解決策として、基本知識のみで自社アプリケーションを開発できる開発ツールの導入は有効です。
開発ツール導入後の課題と原因
せっかく新しいシステムを導入してもうまくいかないケースもあります。主な課題や原因としては、以下のような状況が考えられます。
- 開発ツールにトラブルが発生し、思うように作業が進まない
開発ツールの難易度が高いことが原因で、開発ツールの運用中にトラブルが発生しても、それを自前で対処できない場合があります。バグ処理やトラブルシューティングがうまくできず、アプリケーションの制作過程でつまずきが生じます。
- 運用保守に想定外のコストが発生する
導入時の想定以上の運用コストが生じる、自社にマッチしたシステムへの改修に多大な手間と時間がかかるといったケースです。自社の運用状況の予測と、それに対応する商品の付帯的な価格の十分な確認がされていないことが原因に挙げられます。
- 他システムとの連携ができない
既存システムとの連携に関わる部分を、自動生成するのが困難な場合もあります。開発ツールがどのようなシステムに、どこまで対応できるのかという事前確認の不足が主な原因です。
- 事業に貢献していない
機能開発に集中してしまい目的があいまいな場合、事業貢献度が得られない原因となります。その結果、導入費用に見合うだけのリターンが期待できないということが起こり得ます。
- 業務の変化にシステムが対応していない
現場状況の把握不足が原因で、状況の変化に応じた業務フローの改変や事業拡大などの変化とシステムが合わない場合があります。こうしたケースでは、導入後も現場でのシステム利用が促進されず、費用対効果が得られません。
開発ツールの選び方
導入効果を得るためには、開発ツールを選択する際に以下のようなポイントを押さえておく必要があります。
- 複雑な業務にも完全な対応ができるか
業務の内容は各企業によって大きく異なります。多様なニーズに対応でき、かつ企業特有の複雑なワークフローに対応する開発ツールでなければ導入の意味が薄れます。
- プログラミングが簡単にできるか
開発ツールの目的のひとつは、作業の簡略化、省人化です。高度な開発知識のない社員でも対応可能であることが望ましいと言えるでしょう。
- 開発目的に合致しているか
開発ツールにはさまざまな種類があります。Webアプリケーション、モバイルアプリなど開発の目的に適したツールであることが重要です。
- 開発・動作環境に適しているか
開発環境と実行環境における動作環境や利用ライセンスの承認など、開発ツールに関わる要素が自社に適していることを確認します。
- Notesに代表される既存システムからの移行がスムーズにできるか
先の課題にあったように、外部システムとの連携や移行がうまくいかないと業務上の混乱を招く原因となります。スムーズな連携は、開発ツールの重要な選択条件です。
以上の留意点は、新規に導入する際だけではなく、システム移行時でも同様です。開発力を向上させるために、新システムに移行する際にも、これらの点を意識して開発ツールを選ぶ条件としていきましょう。
自社ニーズに対応するソフトウェア開発に向けて正しくツールを選ぼう
現代の企業活動において業務を進めるうえで、ソフトウェアは重要な存在です。さらに、企業ごとに必要とされるソフトウェアの内容は異なります。ソフトウェア開発を短期化し、持続的に運用していくためには自社ニーズに合った開発ツールを選ぶことが重要です。
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参考:
- 開発ツールとは?主な機能からツールの最新トレンドまで詳しく解説!|ITトレンド
- 開発ツールの活用に課題あり――ビジネスの変化に対応するには|IT Media
- 開発ツールの選択ミスを防ぐ10の方法|ZD Net Japan
- ノーコード/ローコード開発|日経BPガバメントテクノロジー
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