株式会社AQ Group様

ワークフロー開発ツール「ArielAirOne Framework」で社内デジタル化を促進
大規模な人事異動に伴うマスタメンテナンス業務の負荷も半減

株式会社AQ Group様は、1978年の創業以来、匠が持つものづくりの精神「匠の心」と、お客様に寄り添い、末永く安心・快適な暮らしを守る「永代家守り」を使命とし、現場での創意工夫によるコスト削減を積み重ねながら、高品質で適正価格の家づくりを実践してこられました。現在、コーポレートメッセージ「常識を破壊し、真に豊かな暮らしを創造する」を旗印に、注文住宅事業、分譲住宅事業、工務店支援事業、リフォーム事業、資産活用事業、研究開発事業、ロジスティックス事業を展開されています。

2020年に、株式会社AQ Group様はさらなる社内のデジタル化推進を図るため、10年近く使用されていたワークフローシステムから移行する形で「ArielAirOne Framework(以下、AAF)」を導入されました。本記事では、導入に至るまでの背景から現在の活用状況についてお伺いした内容をご紹介します。


インタビュー参加者:
株式会社AQ Group
システム開発室長 宮沢 亮様、 システム開発室 情報システム課 今井 弘幸様

—ご担当業務についてお聞かせください。

今井様:
システム開発室では、業務アプリの開発・運用、社内インフラ整備、社内システム運用、社内のヘルプデスク対応、そしてセキュリティ強化を行っています。そうした業務を通じて、従業員のパフォーマンス向上を実現することで、弊社のビジョン達成に近づくことを目指しています。私自身は、業務アプリではAAFを担当しており、稟議システムの運用、社内のインフラに関わるタスク、そしてサーバー移行業務にも携わっています。

進めたくても進められないデジタル化の打開策としてAAFを導入

—2020年にAAFを導入いただいた当時の背景や課題についてお聞かせください。

今井様:
AAF導入以前は、ワークフローエンジンを持つ開発プラットフォーム上でワークフローシステムを開発・運用していました。ワークフローの機能としては申し分なかったのですが、作り込みがプログラムベースとなり、プラットフォームではあるものの、実際にはJavaでプログラムを書く必要がありました。

少しの修正でも、社内のリソースでは作り切れず外製化をしていたため、リリース後のシステム運用にはかなり費用がかかっていました。また、スクラッチ開発に近い形で作ることになるので、都度調査や見積りが必要でした。社内のユーザーから改修の要望があっても、見積りだけで3週間はかかり、改修を諦められてしまうこともありました。

システム開発をする立場としてデジタル化したいことは色々とありましたが、こういった背景から進めたくても進まない状況でした。加えて、増築・改築を重ねていたので、使用年数が経つにつれレスポンスも遅くなる等、益々状況が悪化していました。それを打開しようと、ローコード開発ツールについて調べ始めました。複数社の製品を比較した結果、AAFが一番弊社に合っているという結論に達し、導入に至りました。

—導入期間中、気を付けた点や工夫した点がありましたらお聞かせください。

今井様:
元のシステムで実装していた機能を、できるだけ標準機能で作ることを目指しました。ただ、まったく同じものを作っても、同じ状態になる可能性もあると思い、実現できないものは切り分けていきました。その切り分け作業には、労力と時間を割いたため、最終的に1年くらいはかかりました。

複雑な稟議システムに対応、セキュリティ面でも安心

—活用されているアプリ等はございますでしょうか?現在の利用状況や導入効果についてお聞かせください。

宮沢様:
「稟議システム」を活用しています。弊社の稟議システムは5階層あります。案件の中には、上長だけに承認をもらうのではなく、通常の業務フローでは入らない承認者もフローに入ることがあり、割と複雑です。そういった仕組みをAAFで構築できたことは大きな成果でした。なおかつ、費用的にもリーズナブルで、非常に助かりました。

今井様:
また、「稟議システム」では、性能とセキュリティ面での課題が解消しました。導入に伴い、セキュリティ機能が搭載されたクラウドサーバーを使用することになり、OS・ミドルウェアの保守期限を気にする必要が無くなりました。AAFのバージョンアップを通じて自動的にアップデートされるので安心です。

独自アプリを通じお客様への均一なサービス提供と業務効率化が実現

—他に導入効果のあったアプリ等はございますか?

今井様:
お客様からいただいたご意見を管理する「お申出管理システム」と、お引渡しをした住宅の点検等の案件を管理する「アフター管理システム」があります。これらの管理について、これまではExcelを使う等、支店ごとで異なる管理をしていましたが、AAFを活用して統一しました。これにより、お客様のご意見や案件の管理方法が全社で統一され、お客様への均一なサービス提供も可能になりました。社内でも1つのシステムで集中管理できるようになったことで、業務効率化に貢献しているといえます。

人事異動によるマスタメンテナンス業務が半減

—他システムとのレプリケーション処理やデータ連携をされているということですが、ご状況はいかがでしょうか?

今井様:
人事部門が使用するシステムとEAIを通じて、ユーザー情報、組織・所属情報の連携をしています。以前はまったく連携できていなかったため、マスタメンテナンスが非常に大変でした。弊社では半期に一度大きな人事異動があり、その都度メンテナンス業務に3週間程工数を取られていました。それがデータ連携によって、手作業によるエラーも減り、負荷が半減しました。手動でやる部分はまだありますが、今では10日もかからずに完了します。その分時間に余裕ができ、他の優先すべき業務やプロジェクトに充てられるようになりました。

またシングルサインオンも採用したことで、以前は対応に時間を取られていたユーザーのパスワード忘れによる問い合わせが無くなりました。

AAFでシステム管理者ができる範囲が拡がった

—社内でのAAFの評判はいかがでしょうか?

今井様:
あまり感想は上がってきていないですが、それが良いことかと思っています。導入以前は、システム自体のレスポンスが遅かったり、開発元に聞いても解決しないバグがあったりと、クレームが頻繁にきていました。それが無くなったということは、ユーザーが無駄な時間を費やす場面が減り、問題なく使えている証拠だと思っています。

また管理する立場としては、使い勝手が非常に良いです。個人的な感想ですが、システム管理をする上で、管理者ができることの範囲が、以前と比べて拡がりました。ワークフローに関して、できることが増えているのは、AAFがワークフローの開発を意図した作りになっているからだと感じます。

—今後AAFに期待することを教えてください。

今井様:
今でも大分助かっているので強いていえばですが、ノーコードでできる部分が増えると嬉しいです。そうすればユーザーにも任せやすくなりますし、AAFの使い方がさらに拡がると思います。また、モバイル端末での利用はまだですが、以前試した時にちょっと分かりづらかった印象がありました。新しいバージョンでは使い易さが改善すると聞いているので、良くなっていたらモバイル端末でも展開して業務の幅を拡げたいですね。試してみたいと思います。

使い勝手の良さと強力なワークフロー機能で、管理しやすいシステムが実現

—最後に、AAF導入を検討されている企業へのメッセージをお願いします。

今井様:
AAFはローコード開発ツールとして非常に使い勝手が良いです。開発する立場としては、若干スクリプティング等の素養が必要にはなりますが、社内でかつ短期間で開発を進めたい場合はAAFが合うと思います。あとは、やはりワークフローの機能が強力なため、管理する側として非常に管理しやすいシステムが作れると思います。

宮沢様:
システム間の連携は今後も進めたいと考えており、各システムをつなげることで、無駄なデータを持たないようにしたいです。今後AAFもその中の一つとして活用していきたいと思います。

※本記事は2024年9月の内容です。