株式会社旭洋工業製作所様

購買管理システム「HUE Purchase」で
年間18~19万枚のペーパーレス化を実現し、インボイス制度にも対応
「できない」を「できる」に変えるパッケージ製品の柔軟性

株式会社旭洋工業製作所様

株式会社旭洋工業製作所様は、1953年の創業以来、プレス部品および金型・自動化設備メーカーとして、モノづくりで長年培った技術力と安定した経営基盤を礎に、企画・構想から加工組立まで一貫した生産体制と万全な品質管理を通じ、人々の生活向上に寄与する信頼性の高い製品を生産されています。

「お客様第一」の理念のもと、さらなる顧客満足の向上を目指されるなか、株式会社旭洋工業製作所様は、購買業務のデジタル化の実現とシステム維持コスト増加の課題解決のため、旧システムから移行する形で、ワークスアプリケーションズ(以下、WAP)の購買管理システム「HUE Purchase」を導入し稼働されました。本稼働は、WAPのパートナー企業である日本情報通信株式会社(以下、NI+C)のサポートによって実現しました。本記事では、導入に至るまでの背景から現在の活用状況についてお伺いした内容をご紹介します。


インタビュー参加者(写真左から):
調達グループ 星合 謙一様 高田 泰明様
経営管理部 野木 雅樹様 杉山 泰彦様

指定伝票を完全ペーパーレス化し、インボイス制度にも対応

—「HUE Purchase」を採用いただいた当時の背景や課題についてお聞かせください。

杉山様:
導入以前の購買業務では、会社指定の紙の納品書を使用していました。納品書だけで4種類あり、なおかつこれを一件ずつ、旧システムのAS400にパンチ入力をする必要がありました。手分けしてパンチ入力をした後、チェックリストを基に一件ずつチェックをするという流れです。私自身は異動で調達に関わることになったのですが、全員が残業して必死に対応しているんですよね。私はチェック役を担っていたのですが、膨大な量でした。

野木様:
数としては大体20営業日につき10,000件程でしたが、7営業日の締めを過ぎないと打ち込みを開始できないので、毎月の打ち込み開始時は約3,500件(500件/日×7営業日)の納品書が山積み状態でした。月次決算が締まっても、ひと息付くのはまだ先でした。

会社指定の納品書の一部

—インボイス制度開始も導入を考えるきっかけの一つになったと伺いました。

杉山様:
はい、当時はインボイス制度に対応できる帳票がない状態でした。システムから支払明細書は発行していたものの、適格請求書として必要項目を満たせるものではなく、新たに作成する必要がありました。

野木様:
2023年10月からインボイス制度が始まり、ひとまずの対応として、旧システムから出した購入データをExcelで一覧にし、インボイス帳票をExcelで作成していました。

杉山様:
その暫定対応が10カ月くらい続きました。手探り状態で、3人で手分けして月初に20時間以上作業に追われていたので、それを解消したい気持ちも強かったです。

—「HUE Purchase」を選定した決め手は何でしたか?

杉山様:
情報収集や他社製品との比較をし、「HUE Purchase」なら幅広い調達に対応できて、我々の求めていることができるという結論となり、決定しました。紙では不十分だったガバナンスも強化できそうだったのも決め手の一つです。

野木様:
10,000件を超えていた紙の指定伝票は、「HUE Purchase」ですべてペーパーレスにすることが可能と、提案いただいている段階から見込んでいました。発注からすべてのデータがつながっているため、一件ずつの打ち込みも不要になり、一気に済ませることができるだろうと考えていました。実際に指定伝票はすべて無くなりましたし、データがつながっているので打ち込み内容のチェック等もほぼ不要になり、大幅に業務が合理化できたと思います。

杉山様:
インボイス制度の対応についても、提案段階で検収受入票について説明があったので、自動発行も可能と想定していました。実際に、Excelの帳票作成の手間も完全に無くなり、課題解決につながったと感じています。

パッケージ製品のイメージに変化

—導入期間中、印象に残っていることはございますか?

野木様:
WAPは最初の問い合わせ時点からレスポンスが早く、役に立ちたいという姿勢を感じました。導入プロジェクト開始後も、スケジュールの進め方がしっかりしており、質問やタスクにもすべて適切に対応してくれるので、安心感がありました。また、NI+Cのサポートも非常にありがたかったです。パッケージ製品だと、「これはできません」となることが多い印象でしたが、NI+Cに「こういったことができないか」と相談すると、「こう設定すればできるかもしれない」と、いつもガイドをしてくれました。

杉山様:
「こうしたい」と要望を伝えると、こういう風に設定すればできるようになると返していただけるので、その柔軟さに概念が変わりました。
また、2024年6月末の稼動に向けて、年始から設定をスタートしましたが、稼働判定に向けて相互検証を実施したゴールデンウィーク前後は、本当にやらなくてはいけないことばかりでした。システムセッションを火曜日にやり、水曜日はアプリセッション、金曜日はPM(プロジェクトマネージャー)定例で、というサイクルで必死に進めていました。

野木様:
自社内だと社員から声をかけられてなかなか作業に集中できないことも多かったのですが、WAPのオフィスで部屋を用意してもらい、合宿のように集中して一気にやったこともありましたね。

—パッケージ製品の導入に際し、意識されたことはございますか?

杉山様:
キックオフの時に、使う立場になるメンバーに向けては、これからはシステムに合わせていこうと伝えました。新しいシステムを使い始める時は、もちろん慣れていませんし、工数はかかるものです。使っていかないと慣れませんから。意識付けですね。

「HUE Purchase」の設定もIT部門を介することなく調達部門で対応

—導入後の利用状況や効果についてお聞かせください。

野木様:
今まで、システムに関する問い合わせはIT部門に寄せられていましたが、「HUE Purchase」では調達部門が自分自身で様々な設定ができるので、改善のスピードが180度変わりました。設定がわからない時も、WAPにやり方を聞けばすぐに解決できますし、現場がやりたいことをIT知識なく実現できるのが素晴らしいです。

杉山様:
慣れれば慣れるほど、色々とできるようになります。そのため、調達部門の人間だけでなく、現場の方たちにも「慣れこそ物の上手なれ」なので皆さん使ってくださいとアナウンスし、使ってもらっています。

ペーパーレスはもちろん、予算精度の向上で購買の在り方が変化

—業務の変化が感じられるのはどういったところでしょうか?

星合様:
もう紙の納品書は使っていないので、パンチ入力は無くなり、年間で18~19万枚のペーパーレス化を実現しました。基本の帳票は「HUE Purchase」で出し、インボイス帳票は検収受入票を活用してPDFデータで送信をしています。

野木様:
以前は調達に至るまでのフローが長く、10人ほどから判をもらってようやく発注できていたので、どこで止まっているのかといった問い合わせが調達部門に寄せられていました。見積書を受け取り購入依頼申請書を準備して、承認の押印を役員までもらって、業者にFAXで送っていたのが、今では3分の1の時間に短縮されました。また、業務改善の一環で、発注する金額毎に承認の階級を分ける社内ルールが設けられたことも、時間短縮に繋がったと思います。

杉山様:
調達側は、現場が紙のカタログを見た上で「これを頼んでおいて」とフランクに依頼されることも多かったのですが、結局業者と依頼者の間に挟まって色々と問い合わせ対応をしなければいけませんでした。導入後は、依頼者自ら「HUE Purchase」を利用したり、直接業者に見積もりを取ってもらったりと業務改善ができています。「HUE Purchase」のカタログ品購買機能でBiznetとのパンチアウト連携も使えるので、そこから調達をすることもあります。あらゆるものを調達していますが、紙の伝票が無くなって、検収処理もメール等データ上で確認できているのでレスポンスも早くなりましたね。仕入先とキャッチボールのようにやり取りしながら、進められるので検収が漏れることもありません。

野木様:
パンチアウト連携については、ネットで直接調達をするなんてあり得ないという古い見方もありましたが、今の時代の流れということで上層部の理解も得た上で活用しています。予算管理と予実管理も幅広く現場で活用されています。確認をしたい時に、簡単な操作でダウンロードして見ることができる点が便利なんだと思います。

高田様:
可視化されているということですが、実績が見え過ぎるということは逆にプレッシャーにもなります。実績がしっかりしているからこそ、予算の精度が上がりました。お金の使い方といいますか、会社の購買の在り方が変化していると感じます。
導入に伴う問い合わせは徐々に減っていきました。旧システムへのネガティブな気持ちや締めの時期のピリピリ感もなくなり、色々と余裕ができたため、今は、各種きめ細かなマニュアル作りや業務改善に時間を充てられています。

今後の展望についてお聞かせください。

野木様:
買掛を全部というところから売掛も全部やるというのが次のミッションです。旧システムから「HUE Purchase」にほぼ移管はしたものの、まだ売上系の業務が残っているので、要件を確認しながらすべて移管することを目指しています。

杉山様:
深掘りをしたいところは、商品マスタの価格の持ち方ですね。今は購入時の単価しか保持していないのですが、マスタ内の汎用項目を使うと価格の内訳を分割して、より細かい計算やデータ活用ができそうです。落ち着いたらそこを進めていきたいと思っています。

—「HUE Purchase」導入の検討をされている企業の方に、メッセージがありましたらお願いします。

高田様:
どの企業さんにも需要はあると思います。発注時にまだ紙を使っているところ、FAXを使っている会社も、躊躇いはあるかとは思いますが、まずはWAPに、トコトン聞いてみてください。結果、導入する方向に進んでいくと思います。

野木様:
「HUE Purchase」は単に購買のためのツールではなく、とても汎用的で様々な業務課題が一気に解決できる製品です。自社の業務のどういった課題が解決できるか、ぜひ頭を捻って使い倒して欲しいです。


経営管理部、調達グループ、生産管理グループ、IT企画管理グループの皆様

※本記事は2025年1月の内容です。
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