日鉄ケミカル&マテリアル株式会社様[02]

スクラッチ開発の固定資産システムをリプレイス
「HUE Classic Assets Management」で、
システム管理者・経理担当者の負担軽減に寄与

インタビュー参加者:

木岡 信一郎 様(元IT企画推進部 / 現九州製造所 総務部 経理グループ グループリーダー)
綾部 幸一 様(IT企画推進部 マネジャー)

日鉄ケミカル&マテリアル株式会社(以下「日鉄ケミカル&マテリアル」)は、日本製鉄株式会社(以下「日本製鉄」)のグループ企業である新日鉄住金化学株式会社(以下「新日鉄住金化学」)と新日鉄住金マテリアルズ株式会社(以下「新日鉄住金マテリアルズ」)が経営統合し、2018年10月に発足いたしました。

新日鉄住金化学は、日本製鉄の基幹事業である製鉄のプロセスで生成される副産物のコールタールやコークス炉ガスなどを活用した石炭化学事業を展開し、化学品や機能材料分野などに事業を拡大してきました。新日鉄住金マテリアルズは、半導体実装材料や炭素繊維・複合材、排気ガス浄化用触媒担体等の特色ある商品を開発し、製品化につなげてきました。経営統合により、両社の強みを生かしながら、お客様の新商品へのニーズに的確に対応する企業へと成長を続けております。

日鉄ケミカル&マテリアルは、2012年に初めて株式会社ワークスアプリケーションズ(以下「ワークス」)の「HUE Classic Assets Management」(以下「CAM」)を資産管理基幹システムとして導入し、システム管理のコスト削減と業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を図っています。

今回はシステム導入の旗振り役を務めた日鉄ケミカル&マテリアルIT企画推進部の皆様に、CAM導入の背景やシステム選定で重視した点などを振り返りながら、現在の運用状況、今後の展望を伺いました。

製鉄の過程で生成される副産物を有効活用する、環境に配慮した製品づくり

 ―御社の事業概要をお聞かせください。

木岡様:
 社名でもお分かりいただけるように、当社は日本製鉄のグループ会社であり、2018年10月に新日鉄住金化学と新日鉄住金マテリアルズが経営統合し、発足いたしました。当社は、コールケミカル事業と化学品事業が主力事業となりますが、そのほか機能材料事業や金属箔事業など13の事業があり、事業領域は多岐に渡ります。

 コールケミカル事業では、製鉄工程の副産物を有効活用し、製品を製造しています。副産物のコールタールを出発原料とする石炭系炭素材は、半導体産業から自動車・航空宇宙産業など幅広い分野でご利用いただいております。

 また化学品事業ではベンゼンやトルエン、キシレンをはじめ、スチレンモノマーやジビニルベンゼン類、農薬原料などの基礎化学品を製造・販売しており、独自の製造プロセスと他社にはない原料構成によって、良質でコストパフォーマンスの高い製品を供給しております。

COBOL(コボル)言語開発者不足で、ホストシステムの維持は困難な状態に…

 ―まず、CAM導入の背景をお聞かせください

木岡様:
 2011年にCAM本格導入が始まった頃、私はIT企画推進部におりまして、社内の業務システム導入を担当していました。システム導入完了後の2014年に異動になり、今は九州製造所に在籍しております。

 当社は従来、自社開発システムを運用していましたが、ちょうどその頃はホストコンピューターの更新時期と重なっており、更新するにはかなりのコストがかかることが判明しました。このままホストコンピューターを更新し自社開発システムを使い続けるか、それに代わるシステムを新規導入するか、選択を迫られていました。そのような状況の中、社内で発足した業務改革プロジェクトという組織では、業務システムの再構築が課題の一つとして挙げられていました。そこで、検討の結果、メンテナンスがしやすいという業務改善の観点から優位性があるCAMの導入に至りました。


綾部様:
 実は当時、私が「COBOL」(コボル)という言語を使って開発を担当しており、固定資産管理や出納、伝票、購買などすべての社内業務の情報管理を行なっておりました。システム運用が始まってからかれこれ40年以上、補修しながら使い続けていましたが、COBOL言語を使えるシステム開発者の確保も困難な状況でした。

 約10年前の当時においてですら、COBOLを使うプログラマーはほとんどおらず、システムを自社開発するためだけにCOBOLのできる人員を確保し続けることもかなりの費用負担となります。また、システム開発が本業ではない当社において、システム開発者を育成するのにもリソースの面において限界があります。そのような背景もあり、ホストコンピューターを手放す時期ではないか、という機運の高まりもCAM導入背景の一つです。

大切なのは、エンドユーザーにとって使いやすいシステムであること

 ―新しいシステム導入の検討で、重視した点は何でしょうか。

木岡様:
 導入を検討するにあたって、ベンチマークしたベンダーは5社ぐらいでしょうか。実際、各ベンダーにシステムのデモンストレーションをお願いし、当社の仕事とマッチしているかという視点から、一つひとつの機能を確認していきました。

 システム全体のバランスという点も重視しました。例えば、固定資産管理と伝票と出納とが全部異なるパッケージになってしまったら、インタフェースの統合で苦労するということが容易に想像できます。導入負荷を軽減するために可能な限りパッケージ数を減らしたい。このような要件を満たしたのがワークスさんのCAMでした。

 また、エンドユーザーにとっての使い勝手など、ユーザーインタフェースも重要なポイントでした。デモンストレーションには、システム構築部門だけではなく、実際にシステムを使う各部署のエンドユーザーの方々にも参加していただいて、ヒアリングを重ねました。

 

ホストシステム更新とCAM新規導入では、コストに違いがありましたか。

木岡様:
 ワークスさんの特徴である「ノンアドオン」「ノンカスタマイズ」により、結果的にはホストシステムを更新するのに比べると、システム維持にかかるコスト削減が図れていると思います。通常、パッケージシステムを採用すると、バージョンアップが有償となり、先行きに発生するコストが見積もりにくいですよね。その点、ワークスさんは無償バージョンアップとなっており、発生するのは一定の保守料だけなのでランニングコスト算出が容易です。他のパッケージシステムに比べると、そうした点にも優位性を感じました。

業務の効率化・自動化が加速

 ―導入後のシステムの使用感やエンドユーザーの方々からの評判はいかがでしょうか。

木岡様:
 導入完了後に異動となり、現場の声を全て聞くことはできていないのですが、ユーザーインターフェースの面で入力のしやすさは格段に向上したと思います。

 さらに、自社開発システムではデータの書き出しなど加工性に限界がありましたが、CAMであればエクセルデータの書き出しが容易ですし、そのデータを加工してツールに落とし込む、データの加工性が高くなりました。ワークフロー機能もついているので、内部統制の観点から考える「業務の見える化」が可能となり、承認のない情報がシステムに登録されるということはなくなりました。従来ハンド入力していた償却や増減の仕訳についてもCAMでは自動化されており、経理実務担当者には作業効率が上がったと感じてもらえていると思います。

綾部様:
 システム担当者の視点から考えますと、計算や集計の結果を把握しやすくなりました。例えば、以前はエンドユーザーの方々から償却算定の要望を受け、システム担当者がバッチを動かして処理をしていましたが、CAMではエンドユーザーが自身で計算・集計して結果を出すことができるようになったので、業務効率は向上したと思います。

 また、ワークスさんの購買管理システム「CPM」との連携も大きな利点ですね。かつては購買管理と資産管理との連携は手動でしたが、現在はCPMで打ち込んだデータをCAMの建設仮勘定へとデータをそのまま取り込め、自動化されているので大変助かっています。

木岡様:
 固定資産管理に関しても、建物付属設備及び構築物の償却方法の変更など、法改正ごとに適宜ご対応いただいており、過去に大きなトラブルがあったことはありません。当社は2020年度から減価償却方法を定率法から定額法に変更したのですが、適切なサポートをいただいて、スムーズに移行ができています。


リモートワーク推進とさらなる業務のDX化を図る

ワークスへの要望や今後の展開をお聞かせください。

木岡様:
 まず、システム運用面についてですが、固定資産の登録は現場の担当者が起案し、上長が確認して承認します。その後、経理担当者が最終チェックをして登録が完了するのですが、この一連のワークフローに伴うバウチャーは紙で回覧しているのが現状です。ワークスのワークフローにはPDFファイルなどを添付する機能もあるので、これから運用を検討できればと考えております。添付機能導入にあたっては、押印などを含めて仕事のやり方を考え直さなければなりませんが、リモートワーク推進にも繋がるのではと思います。
 

綾部様:
 CAMの未使用メニューの導入も、今後検討していきたいと考えています。

 現在、CAMの棚卸管理機能を利用して、固定資産の現物実査の効率化ができないか、検討しているところです。しかしながら、当社の固定資産の多くは、高温や粉塵など環境が厳しい工場内に設置されており、例えばバーコードラベルを貼ってバーコードリーダーで読み込もうとしても、ラベル自体が熱や汚れで劣化してすぐに読み込めなくなってしまいます。熱に強いラベルを使ったり、プレート型のRFIDを埋め込んだりして、そのラベルをハンディーターミナルで読み込むなど、様々な事例もあるとワークスさんから伺っているので、検討したいですね。あるいは、環境が安定している倉庫に保管されている在庫品に対して使ってみるなど、使用範囲を限定して導入を始めるのも一つの案と考えております。


 リース資産管理機能も現在は使っていませんが、当社にはリース資産も多少はありますので、リース資産管理機能が使えるのではないか、という声はエンドユーザーから上がってきております。実際にワークスさんにリース資産機能がどのようなシステムでどのようなメリットがあるのか説明していただく段階にあります。今後も、ワークスさんのサポートを受けながら、CAMの様々な機能を十二分に活用し、業務のさらなるDXを推進してまいります。


―本日はありがとうございました。
 

※本記事は2020年12月の内容です。


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