プロジェクトにおけるスケジュール管理とありがちな躓きやすいポイント

プロジェクトをスムーズに進めるには、スケジュール管理を適切に行うことが重要です。一方で、うまく管理ができなくて悩んでいる方も少なくないでしょう。この記事では、スケジュール管理の概要から進め方、管理の際に陥ってしまいがちなポイントなどについて解説します。プロジェクトでのスケジュール管理のコツを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
プロジェクトのスケジュール管理とは何か
プロジェクトにおけるスケジュール管理とは、タスクの洗い出し、作業の順序、必要なリソースやその配分、さらには所要時間などを管理することです。スケジュールを管理することによって、現場はいつまでにどんなタスクを行えばよいかが明確になります。また、管理する側も進捗を把握しやすく、スタックしている場合などに、スケジュールの調整を行ったり、タスクの再分配を迅速に行えたりするというメリットがあります。適切にスケジュール管理ができていれば、タスク遅れなどが発生しにくくなり、進捗状況も的確に把握できるため、スケジュールどおりにプロジェクトを完了させることができるようになります。
実際にプロジェクトのスケジュール管理をするためには、プロジェクトの開始までの流れを把握していなければなりません。続いては、プロジェクトがスタートするまでにやっておくべきことについて解説します。
プロジェクトを開始するまでの進め方
プロジェクトが成功するかどうかは開始前までの取り組みにかかっているといっても過言ではありません。ここでは、把握しておくべきプロジェクトの開始までの流れを解説します。
①プロジェクトのゴールを設定・共有する
プロジェクトを進めるにあたっては、そのプロジェクトのゴールを明確に設定し、それを関係者全員に共有することが重要です。何をどのように実現するのかなど、5W1Hを明確にしたうえでプロジェクトの関係者全員がそのゴールを共通認識として掲げられるようにしましょう。
②タスクの洗い出し
目的が決まったら、タスクの洗い出しを行い、細分化していきましょう。タスクの細分化は難しいポイントだといえますが、まずはスケジュールを管理しやすい形で分けていくことが重要です。 また、タスクは全てを洗い出すことが重要です。少しでも抜け漏れがあると、後になってスケジュールにちょっとしたズレが生じ、そこから大幅なスケジュールの再調整が必要になる可能性もあります。
③タスクの関係性把握と順序づけ
タスクの関係性を踏まえたうえで、優先順位を決めていきます。この優先順位決めはスケジュールを正確に立てていくためにも非常に重要な作業です。 関係性の例としては、タスクAが終わらなければタスクBを始められない、といったこともあります。そのため、ただ優先順位を決めるのではなく、タスク同士の関係性まで考慮しなければなりません。関係性を間違えていると、のちのちスケジュールが崩壊する恐れもあるため、注意が必要です。よくあるタスクの依存関係の種類については後ほどご紹介します。
④タスクの期日決めと一覧化
タスクの関係性が明確になり、順序づけも完了したら、各タスクの所要時間を考慮して期日を決めていきます。なお、期日を決める際は、若干余裕を持たせておくことも重要です。そうすることで万が一の事態が発生したときでも、スケジュールの再調整が行いやすくなります。 また、期日設定時に勘で工数を見積もるといったことは行ってはなりません。タスクの細分化や関係性把握をしっかり行い、完了までの期間を明確にしたうえで作成していきましょう。
以上が、プロジェクトが始まるまでのスケジュール管理の流れです。この流れの通りに進められれば問題ありませんが、躓くポイントもいくつかあるため注意しなければなりません。続いては、実際にあるスケジュール決定までによくある躓くポイントについて紹介します。
スケジュールの決定までに躓きやすい3つのポイント
ここでは、スケジュールを決める際に、よくある躓くポイントを3つ紹介します。
①タスクの細分化を俯瞰して考えられていない
タスクを細分化する際に、俯瞰できていないケースがあります。自社内でやるべきことは洗い出せていても、関係会社などの外部のタスクを把握しきれていない可能性があるため、マネージャーには外部関係まで俯瞰して考えることが求められます。
②タスク同士の依存関係がどのようなものか理解できていない
タスク同士の依存関係を十分に判別・理解できていない場合、スケジュール通りに作業が進まなくなります。マネージャーは、仕事の流れを一通り理解し、タスク同士のつながりや関係性、順序なども把握していなければなりません。また、以下のようなタスクの依存関係を理解しておくことも重要です。
・強制依存関係:作業内容的に、行うべき順序が自然と決まってくる関係
・任意依存関係:行うべき順序を任意で設定できる関係
・外部依存関係:プロジェクト外からの影響を受ける関係
強制依存関係は、「AをしなければBができない」といった関係が当てはまります。また、任意依存関係は、「AとBがあるけど、Aから進めたほうがスムーズ」といった、任意で順序を判断できる関係のことです。そして、外部依存関係は、プロジェクト内のみのタスクだけではなくプロジェクト外からの要因によってタスクの進行に影響を受ける関係です。
スケジュールを管理する場合、こういった依存関係についても把握しておくことが必要不可欠です。
③逆算して考えた際、タスク1つ1つの必要な期間が意識できていない
スケジュールを立てるにあたって、「目的から逆算して考えよう」という言葉を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。逆算すること自体は間違いではありませんが、逆算する際に、各タスクに必要な時間を意識していないケースがよく見られます。このような場合、順序自体は正しくても、時間の設定が間違っているためにスケジュール管理がうまくいかなくなってしまうため、逆算する前にはタスクに必要な期間をメンバーに見積もってもらい、把握しておくことが重要です。 このように、躓きやすい部分を意識することが、スケジュール管理の肝となります。続いては、躓くことなくスケジュール管理をするためのポイントを紹介します。
躓かないスケジュール管理をするためには
ここでは、実際にスケジュール管理する際に押さえておきたいポイントについて解説します。
①リアルタイムでの進捗報告をうながす
プロジェクトのタスクを細分化し、俯瞰して考えるにあたっては、プロジェクトメンバーに対して各タスクやスケジュールの報告をうながすことが重要です。タスクの進捗状況がわからないと、プロジェクトが順調なのか遅れているのか把握できず、業務効率が低下してしまいます。また、報告漏れによってスケジュール認識にズレが生じ、大幅な遅延につながる可能性もあります。 タスクの進捗状況や期日までの具体的なスケジュールを常に報告してもらうことで、タスク実行ができなくなってしまった人がいた際に、余裕のある人に迅速に指示出しをすることができます。プロジェクトの進捗状況を適切に把握するためにも、各タスクの状況は必ずリアルタイムで報告してもらうようにしましょう。
②それぞれの依存関係によってタスクのグルーピングを行う
先ほども説明しているように、自社に合うスケジュール管理ツールを選ぶポイント依存関係を把握したうえでタスク同士をグルーピングするようにしましょう。グルーピングの例としては、「親タスクに対し、よりブレイクダウンした子タスクを紐付けて階層形式で管理する」などが挙げられます。このようなグルーピングがしっかり行われているとスケジュールの管理や調整も行いやすくなります。
③「逆算」と「積算」の組み合わせでスケジュールを作る
スケジュールを立てる際は、最初から逆算して考えるのではなく、メンバーのタスクに必要となる期間を考慮しながら組み立てて行きましょう。また、スケジュールの期日を照らし合わせたうえで、締め切りを許容できないとなったときに、逆算することが重要です。
このようなポイントを考えながらスケジュール管理を行ってみてください。なお、スケジュール管理の際は、専用のツールを導入することでより効率よく管理が行えます。続いては、スケジュール管理ツールを選ぶ際のポイントについて解説します。
自社に合うスケジュール管理ツールを選ぶポイント
ここでは、実際にスケジュール管理ツールを選ぶとき押さえておきたいポイントについて解説します。これからツールを導入しようとしている企業の担当者はぜひ参考にしてください。
①プロジェクトのコストに合ったスケジュール管理ツールなのか
スケジュール管理ツール導入にあたっては、コスト面の管理が重要となります。無料で使用できる機能にはどのようなものがあるのか、利用人数を増やすと料金も高くなるのか、クラウド型かオンプレミス型かなど、さまざまな点をチェックしたうえで、自社の予算に適したツールを選ぶことがポイントです。
②スケジュール管理ツールの利便性・操作性は高いのか
いくら優れたツールであっても、実際に使用するメンバーにとって使いにくいものであっては意味がありません。そのため、ツールを導入するにあたっては、従業員にとっての操作性や利便性を考慮しましょう。サービスを提供する企業によっては、導入サポートを行っているケースもあるため、そういったサポートを利用することも1つの方法です。
まとめ
今回は、プロジェクトのスケジュールを管理する際のポイントについて解説しました。プロジェクトのスケジュール管理をしていくうえで、プロジェクトの開始までの流れを把握して管理していくことが非常に重要です。今回紹介した躓きを解消するためには、本記事で紹介したようなスケジュール管理の際のポイントに注意し、自社にあったスケジュール管理ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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