ディップ株式会社様
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約30%の購買業務の工数削減を実現
「HUE Classic Purchase Management」導入
購買課の皆様
インタビュー参加者:
野村 沙織 様(経理財務部購買課 課長)
伊藤 克実 様(経理財務部購買課 リーダー)
豊田 真未 様(経理財務部購買課)
ディップ株式会社(以下ディップ)は、1997年3月に設立され、アルバイト求人情報サービスの「バイトル」をはじめ、派遣社員の求人サービスや看護師人材紹介などの人材情報サービスを基幹事業とし成長を続けています。2013年12月に東証一部上場を果たし、2019年3月には「Labor force solution company」を新たなビジョンとして掲げ、既存事業に加えて、AI・RPA(Robotic Process Automation)を活用し、労働力の諸問題を解決することで社会に対してさらなる貢献を図り、「労働力の総合商社」として新しい事業を展開しています。
ディップは、2015年3月に初めて、株式会社ワークスアプリケーションズ(以下ワークス)の「HUE Classic Purchase Management」(以下CPM)を購買管理基幹システムとして導入し、現在では全部署にCPMが利用可能となり、購買のオペレーションが社内一貫で完結するようになりました。
今回はシステム導入をけん引したディップ経営統括部経理財務部購買課の皆様に、導入までの流れや現在の運用状況、今後の展望を伺いました。
「労働力の総合商社」を目指す
―まず、ディップ株式会社の事業概要をお聞かせください。
野村様:
当社では、バイト情報サービス「バイトル」や看護師転職サービス「ナースではたらこ」のほか、求人情報・人材紹介サービスを基幹事業としております。これまでは求人広告メディアを中心に事業を展開しておりましたが、2019年3月に掲げた当社の新しいビジョンである「Labor force solution company」のもと、今年(2020年)の2月期から「労働力の総合商社」へ事業ドメインを拡大し、ヒトの労働力を代替するAIやRPAのサービスを提供することで、広く社会の労働力に貢献できないかと活動しております。
ヒトと協働する「コボット」でもっと働きやすく
―確かに貴社は最近、AI・RPAやロボティクスに関連する企業や事業を積極的に買収されていますね。
野村様:
そうですね。実際に当社では「コボット」というRPAプラットフォームを提供するサービスを展開しております。簡単にご説明いたしますと、5,000社の運用実績から誕生した「コボットPlatform」を使ってお客様のニーズに沿ったRPA導入をトータルにサポートするコンサルティングサービスや、あらかじめ業務フローをリサーチし、業務に沿ったテンプレートを用意し、低コスト・短納期を実現したパッケージサービスがあります。
具体的には、バイトルに求人情報を掲載していただいているクライアント様からの「採用業務をもう少し自動化できるところがないか」というご要望に応え開発された、面接業務の効率化を図る「面接コボット」をはじめ、賃貸管理会社の物件の更新作業を自動化した「不動産コボット」や、応募者情報の整理やタイムカード情報の入力業務を自動化した「HRコボット」は、各業界の業務フローに沿ったテンプレート型RPAで、短期間の納品が可能な商品となっています。当社では今後、これらのサービスの提供に一層注力していきたいと考えております。
初めから終わりまで一貫した購買管理システムの構築を目指して
―CPMを導入された背景をお聞かせください。
野村様:
当時、購買管理システム導入に関わっていたメンバーは伊藤と私でした。CPM導入に至った背景をお話しするにあたり、まずCPM導入前のディップ全社のシステム利用状況を簡単に説明しますと、人事データを取り扱う人事システム、ワークフローを回覧するシステム、購買管理システム、会計システムの4つのシステムの間でデータがやり取りされていました。それぞれ別会社のシステムの環境下だったため、一つ目の課題としてシステム間の連携がなかなかうまくいかないという点がありました。
二つ目の課題はCPM導入を検討したのが約7年前で、社内業務はまだマニュアル作業が主流でした。紙でのやり取りが非常に多く、データを印刷して、承認して、捺印をもらって、発注書を送付して…笑。
今はコロナの問題もあり、どの業界・企業においても必然的にDX化が加速している一面はあると思いますが、私共はコロナ禍以前からDXを推進し、工数の削減を目標に、システム間の連携向上とデータによる一貫したシステムの構築に取り掛かりました。さらに、当時の購買課ではシステムの保守期間がちょうど終了するタイミングだったというのもありますね。
CPM導入後、30%の購買業務の工数削減を実現
―CPM導入の効果はいかがでしたか。
野村様:
導入前の購買課単体の課題ですが、購買システムが購買部門単体のものだったので、購入依頼部署との連携がどうしても紙になってしまっていて…。エクセルで購入依頼申請を作り、プリントアウトして、上長の承認印をいただき、PDFにして購買にメールで送る。購買はその購入依頼書を購買システムに転記して、と無駄な作業が数多くありました。さらに、取引先様ともデータ連携ができず、注文書を購買管理システムで作成し、印刷して宛先を付けて、ファックスする、という手間がかかっていました。
CPMを導入した5年前と現状の購買業務のオペレーションを比較すると、購入依頼から検収までをひとつのフローと考えた場合の1件当たりの工数が約30パーセント削減されたと思います。やはり最も工数削減効果を感じるのは、購入依頼部署が直接CPMから購入依頼ができて、購買課はCPMでデータのチェックをするだけでオペレーションが完了するようになったことですね。
コンサルタントの方々と二人三脚で課題解決
―CPMの利用状況やCPM導入のメリットをお聞かせください。
豊田様:
購入依頼申請から検収管理の機能を主に利用しておりますが、ほかにも予実管理やサプライヤー評価などの分析を目的として、発注状況、検収状況などのCSVデータをダウンロードして分析しています。
CPM導入のメリットとしましては、豊富な標準機能を利用して無償で運用改善を行っていけること。また、課題解決にあたり、ワークス様のコンサルタントの方々と話し合いの場も設けていただけて、CPMを使った業務改善の提案なども定期的に行っていただいています。システム運用開始から5年が経過しているので、現在主に行っているのは機能のさらなる活用となりますが、今後の展開としてCPMをほかのテクノロジーと融合させて業務効率を図れないかと考えており、この点に関してもコンサルタントの方々にご相談させていただいています。実現の可能性を一緒に探ってくださる点はとても大きなメリットだと感じています。定額の保守料のみの支払いだけで、機能改修やバージョンアップに関しては追加料金なく製品を提供していただいており、コスト面でも大変助かっております。
購買業務ナレッジの共有で戦略的購買の理想を追求
―今後の展開についてお聞かせください。
伊藤様:
各部署のシステム間でより高度なデータ連携を実現することで、さらなる業務効率化が図れるのでは、と考えています。
現状、購買システムで検収を終えたデータを会計システムと連携するのですが、そのデータを会計処理に合わせた、勘定科目の仕訳ができ上がったような状態で連携できれば、月次決算の一層の早期化と効率化が実現できると考え、模索しています。
また購買システムから会計システムにデータが取り込まれる際に請求書データが添付され、その添付データが会計システムに自動的に反映されて、経理担当者はその添付ファイルを開いて承認する、そのようなシステム運用が実現できればいいなと思っています。データの添付ファイルは、購買システムの中ではワンストップで確認できるようにはなっているのですが、他部署との連携はできておらず、これからの課題ですね。
野村様:
「戦略的な購買の実践」を購買課のミッションとして掲げておりますが、それを実現するには購買ナレッジの共有ができる仕組みの構築が必要だと考えております。CPMの機能で対応可能かという検討が必要と思っていますが、例えば取引先様の特色や評価、この取引先様はスピーディーに対応してくれた。あるいは当社の社員について、この人はこんな知識とスキルがあるから調達の選定が早いとか、交渉がうまい、とか。このような属人的になったナレッジを、なにかしらのコミュニケーションツールで共有することによって、「戦略的な購買の実践」にまた一歩近づけるのではないかと思っています。
―本日はありがとうございました。
※本記事は2020年9月の内容です。