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2023/03/09
Notes移行のやりかたは?成功事例から学ぶ移行の手順や注意点、おすすめの移行先などを紹介
長年多くの企業を支えてきたNotesですが、サポート終了や技術者不足を背景に、移行を検討する企業が多くいます 。本記事では、Notes移行の重要ポイントや注意すべき失敗パターンを詳しく解説します 。さらに、4年かけて段階的移行を実現したグンゼ株式会社や、7か月という短期間で刷新したケイミュー株式会社の成功事例を紹介 。自社に最適な移行先を選定し、プロジェクトを成功に導くためのヒントが詰まっています 。
目次
ArielAirOneとNotes移行支援については下記特設ページをご覧ください
「”こだわり”が詰まったNotes資産を活かす、業務開発プラットフォーム ArielAirOne」
1.Notesの歩みと現状
Notesの歩み
Notesは、HCLテクノロジーズ社が開発・販売しているグループウェアです。2018年12月以前は、IBM社が自社ソフトウェアの一つとして、ロータスブランドで開発・販売を行っていました。
ロータスとは、Notesのオリジナルを開発したロータスデベロップメント社の略称です。 NotesはLotus Notesと呼ばれることもあり、古くから導入している企業やエンジニアには、そちらの方がなじみ深いかもしれません。
Notesの最初のバージョンは1989年にリリースされましたが、1995年にIBM社がロータスデベロップメント社を買収したことでNotesのブランド価値が急速に向上し、大企業を中心に導入が進められました。
Notesの現状ーサポート終了と技術者不足
しかし、Notesを現在販売しているHCL社は、一番ユーザーが多いとされているバージョン(v9.0.xおよびv10.0.x)が2024年6月1日サポート終了となることを発表しました(現在は有償サポートの延期が発表されています)。また、Notesに精通した人材の退職や異動によるノウハウの消滅、世の中的なNotes技術者の減少により、障害対応や改修を継続する体制が維持しづらくなっています。
こうした背景から、サポート終了を契機にNotesからの移行を検討する企業も少なくありません。
営業活動終了/サポート終了の製品バージョン

出典:HCL Notes/Domino v9.0.x および v10.0.x の営業活動終了 (2022年12月1日) とサポート終了 (2024年6月1日) および延長サポート (2030年6月30日まで) について(出典元の記載内容に基づき表を加工)
2.Notes移行のポイントと注意点
Notes移行のポイント
Notes移行を検討する際は、まず情報資産の棚卸しを行い、社内にどんな資産があるのかを把握・整理することが必要です。
何を移行し、何を移行しないのかを慎重に選択し、それらが移行可能かどうかを事前に調査した上で、適切な移行計画を立てることが重要なポイントです。
ただし、Notes移行には計画の策定以外にも、移行先の選定、移行プロジェクトの実行、ユーザーへの教育など、様々なハードルが存在します。
Notes移行の失敗パターンと注意点
Notes移行が失敗する背景には、「技術要件の見誤り」「運用設計の甘さ」「組織的準備不足」という三つの共通点があります。
例えば、Notes特有の複雑な業務ロジックを安易にノーコードツールへ置き換えると、業務要件を再現できず、現場からの反発を招く恐れがあります。
また、移行後の運用ルールや教育体制が不十分なまま導入すると、部門ごとに運用がばらつき、サポート負荷が増大します。
さらに、全社一斉展開を無計画に進めると、スコープ肥大やコスト超過を招き、合意形成が崩れるリスクもあります。
これらを防ぐためには、業務要件を軸にした技術設計、運用面の十分な準備、そして段階的なPoCによる検証が不可欠です。Notes移行成功の鍵は、単なるシステム刷新ではなく、組織全体の変革を見据えた計画的な推進にあります。
次章ではそのような様々なハードルを乗り越え、Notes移行を成功させた企業の事例を紹介いたします。
3.Notes移行の成功事例
本章では、Notes移行の成功事例として、Notesからワークスアプリケーションズのグループウェア「ArielAirOne」への移行を実現した、グンゼ株式会社とケイミュー株式会社の事例を紹介します。
長期間をかけて段階的に移行を進めたグンゼと、短期で移行を実現させたケイミュー。それぞれの取り組みから、Notes移行を成功に導く秘訣を探ります。
※本章は、2021年5月25日に配信されたWorksWay2021「事例から学ぶNotes移行成功の秘訣!」の内容を再構成したものになります。
グンゼ株式会社の事例紹介
◆Notes移行検討のきっかけ
明治29年創業のグンゼ株式会社は、アパレル事業、機能ソリューション、ライフクリエイト事業を中心に事業を展開されています。
同社では20年もの間、メール・ワークフロー・文書管理の用途でNotesを利用してきました。しかし、Notesの市場シェア低下による将来性への懸念に加え、社内ヒアリングからわかった「ワークスタイル変革」への強い要望に対して、Notesでは十分に対応しきれない状況がありました。これらを背景に、Notes移行の検討を始められました。
◆Notes運用で抱えていた課題
Notes運用において、特に問題視されていた課題は以下の3点です。
1.Notesを社外から利用する場合、リモートツールで社内ネットワークに接続する必要があり、通信量が多く海外などからは動作が遅くて使えない
2.スマートフォン・タブレットからは利用できない
3.取引先との大容量データ交換ができず、7MBを超えるファイルを送信できない
これら現行課題やユーザーからのヒアリング結果をもとに、「Notes移行によって何を改善するべきか」を整理し、検討プロジェクトをスタートさせました。
◆移行先製品の選定
Notesの移行先となるグループウェア製品の検討では「コア技術強化」「業務効率向上」「情報活用向上」を重視し、機能とコストの両面から検討を実施しました。
メール・ワークフロー・文書管理といったNotesの利用領域において、クラウド環境で利用でき、かつセキュリティを担保した機能があるという条件で、ワークスアプリケーションズのArielAirOneを柱とする製品群が採用されました。
製品決定後は、利便性とセキュリティを両立する構成を検討し、パソコンやスマートデバイスでの利用方法についても設計しました。
◆プロジェクト運営のポイント
製品の選定・社内稟議を経て、導入プロジェクトが開始されましたが、グンゼではNotesの利用ボリュームと社内リソースを考慮し、4年間での段階的移行を計画しました。
まず、実現したいことや要求をポストイットで洗い出し、優先度を整理。優先度の高いものは1年目に移行し、それ以外はその後段階的に移行するという方針でマスタースケジュールを作成しました。
4年計画の大きなポイントは、旧システム(Notes)と新システム(ArielAirOne)の併用です。ユーザーの利便性が損なわれないよう、両システムのデータをうまく連携できることを事前に検討し、計画を進めました。

◆要件定義
要件定義では、業務シーンを要求ごとに深堀りし、優先度や対応方法を検討。ID管理やメールなど業務範囲ごとに要件を固めました。
クラウド設計では、パソコン・スマートフォンそれぞれの利用に応じたセキュリティを考慮し、矛盾がないように設計しました。開発工程では不具合も発生しましたが、問題点・優先度・担当・期日を明確にし、品質と納期の管理を行いました。
◆新システム定着のポイント
短期間で多くのユーザーに定着させるため、マニュアル整備を最重要施策と位置づけました。作成計画を立て、シーン別の詳細マニュアルに加え、パソコン・スマートフォンそれぞれに対応したダイジェスト版を作成し、総ページ数は500ページ近くに及びました。
全国で1回2時間程度の説明会を実施し、マニュアルをベースに説明を行ったことで、混乱なく利用を開始することができました。
◆ArielAirOneへの移行で実現できたこと
移行による効果は大きく2点です。
1点目は、不要なデータベース(以下DB)の整理・集約による保守性と利便性の向上です。Notes利用時は約1300DBありましたが、移行開始前に約800DBまで削減。4年をかけた移行期間の中でさらに整理を進め、最終的には466DBと、約3分の1まで集約されました。
2点目は、Notes利用時の課題解決です。例えば、タブレットやスマートフォン利用により、ワークスタイルの変革が実現できたことや、情報の検索性や共有性があがり、情報の利活用が進むようになりました。また、ワークスアプリケーションズのクラウドサービスを利用することで、運用面の煩わしさから解放されたことも大きな利点でした。結果として、コロナ禍の急激な環境変化にも迅速に対応することができました。

ケイミュー株式会社の事例紹介
◆Notes移行検討のきっかけ
ケイミュー株式会社は、2003年12月にクボタと松下電工(現パナソニック)の住宅外装部門が事業統合し発足した、「屋根材」「外壁材」「雨とい」などをトータルに提案する日本唯一の外装建材メーカーです。
同社では、パナソニックグループのシステムとしてNotesを導入し、メール、ポータル(掲示板)、ワークフローを中心に利用していました。しかし、グループ全体でNotes廃止の方針が決定したことを契機に、Notes移行の検討を開始しました。
加えて、当時のポータル機能が貧弱であったこと、「ワークフローや掲示板の作成・編集が難しい」といったNotesへの不満もあり、社内ポータルを含むグループウェア再構築として、Notes移行プロジェクトがスタートしました。
◆Notes移行先の検討とポイント
ケイミューでは、移行先のグループウェアとして5製品を比較検討し、最終的に「ArielAirOne」を採用しました。検討時の主なポイントは下記5点です。
1.Notes移行のツールがあり「短期間」で移行が可能なこと
2.コスト
3.ポータル・ワークフロー・グループ管理を自社で構築・メンテナンスができること
4.人事システムから組織・人の情報を連携できること
5.スマートフォンの活用ができること
◆導入プロジェクトの工夫
導入プロジェクトは、プロジェクトマネージャー(PM)1名、非専任メンバー3名の計4名で推進しました。短期導入にこだわり、実質的な構築期間は約7か月。その鍵となったのがタイムマネジメントでした。 主なポイントは以下の4点です。
1.ゴールから逆算したスケジュール設定とデッドライン管理。また、管理自体に時間を使わないよう、「カットオーバーチェック」を月単位で簡単に記載
2.PMが全権を持ち、迅速な意思決定を行う
3.検討フェーズで徹底的に議論し、構築フェーズでは後戻りなく進めることをルール化
4.NotesではなくArielAirOneに合わせて業務をフィッティングする
特に4番目を重視しました。ユーザーからは「Notesではこれができた、あれができた」と要望が多く寄せられますが、新システムでの100点を目指す、ということをメンバーの共通認識として進めました。
例えば、掲示板は100種類から2種類のフォーマットに集約し、権限設定も掲示板単位にするなど、ルールをシンプル化しました。また、膨大な過去データについても移行するデータ・しないデータを整理し、掲示板以外の過去データは一切もっていかない、掲示板のデータもArielのみに残して閲覧する、ということを徹底しました。

◆段階的な移行と定着施策
移行は、システム・業務範囲別に段階的に実施しました。まず「スケジュールと施設予約」、次に「メール」。特にメールは移行時の問い合わせ対応などに時間を要するため、部署ごとに2か月かけて丁寧に移行を実施しました。続く「掲示板」は、掲示板単位で2週間かけて移行し、最後の「ワークフロー」は、新旧システムの並行稼働期間を経て移行を実施しました。これにより、Notesで申請済みの案件はそのままNotesで完結するなど、ユーザーの利便性を損なうことなくスムーズに移行できました。
ユーザーへの定着面においては、テレビ会議を通じた全員研修を実施したほか、各部署に「Arielキーマン」を設定し、質問を取りまとめる体制を整えました。また、IT部門での先行導入時に出た質問をもとにQA集も準備しました。ユーザー自身がQA集を見る機会は限られていたものの、サポート側が統一した回答を迅速に提供する上で、このQA集は非常に大きな役割を果たしました。
◆Notes→ArielAirOneへの移行で実現できたこと
最大の成果は、「業務の標準化・効率化」が実現できたことです。まずポータルについては、「誰でも必要な情報に到達できる」ことを目指してデザインしました。Notes時代はなんでもメールをする、という文化でしたが、新システムでは「未読の可視化」や「どこに何の情報があるか一目でわかるようにする」など情報取得のスピードを向上させる工夫をしました。
掲示板については、100種類の掲示板を作成しましたが、登録した掲示板が更新されると通知が送られる「伝言通知機能」を利用するなど、利便性が高まりました。
また、ワークフローでは、システム管理業務も大幅に効率化されました。Notesでは、承認フローやユーザーグループについてワークフローごとのメンテナンスが必要でしたが、ArielAirOneではこれらは一元管理することができるため、異動時などのメンテナンス負荷が劇的に軽減されました。

4.Notesの移行先は?必要な機能を網羅したシステムのご紹介
Notesの移行先選定のポイント
①業務要件を再現できる柔軟性と拡張性
長年Notesで培われた複雑な承認フローや分岐ロジックを、正確に再現できるかが最重要です。業務特有の要件や他システムとの連携を柔軟に再現・拡張できる設計力を備えたツールを選びましょう。
②データ移行とシステム連携のしやすさ
Notesに蓄積された膨大なデータやワークフローを安全かつ確実に移行できるかを確認します。既存システムとの連携機能や移行ツールの有無、データ移行手順の明確さを確認し、スムーズな移行計画を立てましょう。
③将来の運用・保守・コスト
AI活用や標準機能の充実度、ライセンスや運用コストなど、長期的に安定運用できるかを見極めましょう。属人化を避け、継続的な改善が可能な仕組みを選定することが成功の鍵です。
④ユーザビリティと運用設計の整備
移行後に現場が混乱しないためには、使いやすいUIや統一ルール、教育体制が欠かせません。操作性・権限設定・サポート体制など、利用部門が自立して運用できる仕組みを設計できるかが定着の成否を分けます。
Notesの移行先に最適「ArielAirOne」
ArielAirOneとNotes移行支援については下記特設ページをご覧ください
「”こだわり”が詰まったNotes資産を活かす、業務開発プラットフォーム ArielAirOne」
最後に、Notesの移行先として親和性の高いシステム「ArielAirOne」をご紹介します。ArielAirOneのユーザーは、Notesからの移行ユーザーが5割を占めており、ワークスアプリケーションズは多くのNotes移行プロジェクトを経験し、ノウハウを保持しています。
ArielAirOneは大きく、グループウェアの「ArielAirOne Portal」、ワークフロー・開発ツールの「ArielAirOne Framework」から構成されており、利用範囲に応じてライセンスを選択し利用することが可能です。また、独自のNotes移行ツール「ArielAirOne Transfer for Notes」も保持しており、管理者・ユーザーのNotes移行負担を大きく軽減することができます。
グループウェア「ArielAirOne Portal」
「ArielAirOne Portal」は、情報共有に必要とされるスケジュール、掲示板、ファイル管理、アプリケーションをポートレット形式(小さなウインドウ)で表示させるポータル機能など、業務に必要な一般的な機能はあらかじめ搭載されており、企業・組織・個人単位でワークスタイルに合わせた柔軟な設定が可能で、Notesで利用していたグループウェア機能はArielAirOne Portalへ移行可能です。
特徴1.スケジューラーや情報共有ポータルなどの主要な機能で多彩な設定ができ、企業文化に応じた情報共有を促進
特徴2.柔軟なアクセス権限設定で情報漏洩などを防止し、内部統制の強化に寄与
特徴3.情報・ノウハウの共有・業務効率化をさらに推進する簡易業務アプリケーション・ワークフローへの拡張性
詳細は「グループウェア ArielAirOne Enterprise」製品ページをご覧ください。
ワークフロー・開発ツール「ArielAirOne Framework」
Notes移行で特にハードルとなるのが、企業独自で構築された申請や承認のワークフローの移行です。「ArielAirOne Framework」はNotesで構築されたワークフローやデータベース(カスタムアプリ)のフォームやビューなど標準的な設計要素の代替え構築が可能です。
また、ArielAirOne FrameworkはGUIベースのローコード開発で、企業独自の複雑なワークフローもプログラミング知識不要で素早く構築化可能なため、継続的改善をスピーディーに行うアジャイル型開発に向いており、現場の要求を柔軟に取り入れたワークフロー構築も可能です。
特徴1.プログラミング知識が必要のない画面開発ツールによるアプリケーション開発が可能
特徴2.日本企業特有の複雑なワークフローにも柔軟に対応が可能
特徴3.移行ツールの利用により効率的なNotes移行を実現
詳細は「グループウェア ArielAirOne Enterprise」製品ページをご覧ください。
Notes移行ツール「ArielAirOne Transfer for Notes」
Notes移行を効率的に実現するツール「ArielAirOne Transfer for Notes」は、Notes独自のLotusScriptコードをJavaScriptコードに書き直すことで、他社製品で移行困難なNotesアプリの移行も可能にします。
フォームやビューなどの自動変換機能を持っており、設計移行の工数を大幅に削減可能です。また、データ移行ツールも含まれており、リッチテキストデータ内の表や画像、添付ファイル、文書リンクまでも移行可能です。
詳細は、「”こだわり”が詰まったNotes資産を活かす、業務開発プラットフォーム ArielAirOne」特設ページをご覧ください。
