改正後の電子帳簿保存法で、原本破棄が即時可能に?
従来の電子帳簿保存法では、領収書などの証憑を電子化した後も、税理士などの第三者による定期検査が終わるまでは紙の原本を保管しておく必要がありました。
2022年1月に施行される税制改正では、定期検査の要件が廃止となるなど、電子帳簿保存法の要件が大幅に緩和されました。本記事では、改正後の要件を参照しながら、原本の即時破棄が可能なのか、解説していきます。
電子帳簿保存法への対応状況について、70社以上の企業を対象にアンケート調査を実施。「2年間の猶予」を踏まえてどのように対応する予定なのかといった情報をレポートとしてまとめました。
改正後、紙の原本の即時破棄は可能?
実は改正後の紙の原本の破棄のタイミングについては、財務省が公開しているパンフレット「令和3年度税制改正」に記載があります。
パンフレットでは、電子帳簿等保存制度の見直しの章で、改正後は「紙原本による確認の不要化(スキャン後直ちに原本の廃棄が可能)。」と記載されています。
改正後、紙の原本の即時破棄は可能か?という疑問に対しては、電子帳簿保存法の要件を正しく満たして運用していれば、「電子化したあとはすぐに破棄が可能」という答えとなります。
原本を破棄するために、満たすべき4つの要件
電子化した後、紙の原本を破棄するには、電子帳簿保存法の「スキャナ保存制度」の要件を満たす必要があります。
この章では、改正後の要件を満たすために、確認すべき4つのポイントを解説します。
1.要件で定められた一定水準以上で紙の原本を電子化できるか?
電子化する際には、下記の水準以上を満たして保存する必要があります。
- 解像度は200dpi相当以上
- 赤色、緑色及び青色の階調がそれぞれ256階調以上(24ビットカラー)
電子帳簿保存法に対応したサービスなどでは、電子データを保存する際に解像度などをチェックする機能を備えたものも提供されています。
また、電子化する際に利用する機器については、スマートフォンやデジタルカメラを利用することも認められています。200dpi相当の画質を担保する指標として「388万画素」という基準が設けられていますので、利用するスマートフォンやデジタルカメラが対応しているかどうかも確認ポイントの一つです。
2.利用するシステムに要件を満たせるだけの機能が備わっているか?
電子化されたデータの保存先となるシステムやサービスが満たすべき要件もあります。
具体的には下記の要件を満たす機能が必要となります。
保存先となるシステムやサービスに求められる要件
✓ 取引年月日、取引金額、取引先の情報を記録できるか |
✓ 保存したデータのダウンロードが可能か |
✓ ダウンロードが出来ない場合、日付または金額の範囲指定によりデータを検索できるか |
✓ ダウンロードが出来ない場合、2つ以上の任意の項目を組み合わせた条件で検索ができるか |
✓ 訂正、削除の記録を残し、確認ができるか |
利用予定のシステムやサービスについて、履歴管理機能や出力、検索機能の有無を事前に確認することも重要です。
3.年間データを保存し続けられるか?
電子帳簿保存法では、電子化したデータの保存期間は7年と定められています。
システムやサービスを利用する場合には、7年間保存し続けられるだけの容量があるかどうかも確認が必要です。
見積り依頼をする際には、7年データを保存する前提で依頼をすることで実際のコストの見通しもたてられます。
4.改ざんなどの不正をふせぐ手立てがあるか?
改正により要件は緩和された一方で、不正に対するペナルティが強化されました。
申告漏れ等があった場合には、通常課される重加算税の額に、該当する不正に関わるものは「10%」加算されます。
不正や不備を防ぐ措置や対策の検討を含め、結果への責任が求められる改正後に備えて、運用もしくはシステムによるチェックなど、不正を検知・防止できる手立てを検討することも必要となります。
法要件に則ってペーパーレス化を実現できるシステムを
紙の原本による業務を電子化することでペーパーレス化を目指す企業も多いですが、紙の原本を破棄するためには、電子帳簿保存法の要件を正しく満たすことが必要です。
電子帳簿保存法の要件や運用例をまとめた記事も公開しておりますので、ぜひご覧ください。
また、法要件を満たしつつ、改ざんなどの不正検知や防止をするには、システムやサービスの利用も有効な手段となります。
弊社ワークスアプリケーションズでは、電子帳簿保存法に対応したソリューション、「Electronic Book Maintenance」を提供しております。履歴・バージョン管理の他、検索機能など法要件を満たすために必要な機能を備え、JIIMA認証も取得しています。
さらに弊社では、電子帳簿保存法に精通した税理士法人と協業しており、コンサルティングサービスのご紹介も行っております。ぜひお気軽にお問い合わせください。
電子帳簿保存法への対応状況について、70社以上の企業を対象にアンケート調査を実施。「2年間の猶予」を踏まえてどのように対応する予定なのかといった情報をレポートとしてまとめました。