WBSの作成にはツールを使うと便利!ツールをうまく活用できない原因とは?
WBSは、プロジェクトのタスクや工数を管理する手法のひとつです。プロジェクトの最終目標を達成するために必要なタスクや工数を段階的に分解し、構造化して表現しています。WBSはプロジェクトの計画を立てるときに作成しますが、作成にはツールを使うのが一般的です。
しかしせっかく作成したWBSも、うまく活用できなければ意味がありません。また、うまく活用するためには、どのようなツールを使ってWBSを作成するかも重要です。
ここでは、WBSの概要や活用のコツ、WBSを作成するためのツールの選び方などを紹介します。
目次
WBSツールの概要
まずはWBSの概要とWBSツールについて概要を説明します。
WBSの特徴
WBS(作業分解構成図、Work Breakdown Structure)は、プロジェクトのタスクを細分化して表で示す手法(タスク表形式)です。プロジェクトをツリー構造に分解して把握していきます。
プロジェクト全体を大きなタスクから小さなタスクに段階的に分解してタスクやリソース、工数を洗い出すため、WBSを作成すれば作業の抜けや漏れが起こりにくくなります。またプロジェクト管理やスケジュール作成がしやすくなり、プロジェクトが失敗するリスクを減らすことが可能です。
WBSはExcelでも作成できます。しかしExcelは、共同編集やバージョン管理、スピーディーな情報共有などの点で、WBS作成に向いているとは言えません。そこで、WBSの作成にはWBSツールの利用をおすすめします。
WBSツールとは、WBSを作成するときに使われるツールの総称です。WBS作成専用ツールだけではなく、プロジェクト管理ツールや進捗管理ツールなどもWBSを作成するときに使われるので、WBSツールと呼ばれることもあります。次に、その機能を紹介します。
WBSツールの機能
WBSツールには、次のような機能があります。
▶テンプレートを利用して必要な作業やタスク、リソースを洗い出し、WBSを簡単に作成できる
▶ガントチャートなど、他の形式のプロジェクト管理表も簡単に作成できる
▶作成したWBSのメンテナンスやバージョン管理ができる
▶WBSを作成するだけでなく、プロジェクト終了までの進捗状況も一元管理できる
▶管理者は複数のプロジェクトをまたいで管理することもできる
WBSツールを使うことのメリット
WBSツールを使ってWBSを作成すれば、次のようなメリットがあります。
▶WBSの作成に便利な機能や部品が揃っているので、WBSをスピーディーに作成できる
▶クラウドサービスで提供されているものが多いので、時間や場所を問わずにアクセスでき、出先や終業後でも進行管理を行える
▶複数のユーザーで共同編集したり同時に閲覧したりできるので、プロジェクトメンバー間で情報共有しやすい
▶プロジェクトメンバーで共同編集が可能なので、リアルタイムで進捗状況を更新したり把握したりできる
※WBS、およびWBSツールについて、詳しくは「WBSが適したプロジェクトとは?ツールの選び方も解説」を参考にしてください。
WBSツールや作成したWBSを活用できない原因
WBSツールを活用すれば、必要なタスクを抜け漏れなく洗い出し、適切にツリー構造化できます。また、作成したWBSを利用してガントチャートやスケジュール管理表を作成し、スムーズにプロジェクトを進行することができるでしょう。
しかし、せっかくWBSツールを導入しても、適切なWBSを作成できないこともあります。これが「ツールを活用できない」場合です。そこには、次のような原因があります。
WBSツールを活用できない原因
▶テンプレートをそのまま使っている
たいていのツールには、いくつものテンプレートが用意されています。それをカスタマイズして使うのが一般的ですが、カスタマイズが面倒でそのまま使っている場合も多いようです。
テンプレートのままではどうしても細かい部分で自社の事情やプロジェクトに合わないところが出てしまい、うまく活用できません。
▶WBSだけを作成して終わってしまう
WBS作成ツールでは、WBSをベースに、ガントチャートなどさまざまな形式のプロジェクト管理表を作成できます。さまざまな形式をうまく使い分けることで、全体の進捗状況や細かいタスクの進行をうまく管理できるのです。
表の作成や運用を面倒がって、WBSだけで管理を済ませる場合もあります。それではWBSでは表現できない細かいスケジュール管理ができず、うまく進捗状況を管理できません。
ツールの機能を生かしてさまざまな管理表を作成し、プロジェクトの全体像を把握しましょう。
▶現場になじまない
WBSツールを実際に利用するのは、情報システム部門ではなく現場の社員です。現場の社員が使いやすくなければ使われなくなってしまい、ツールは活用されません。
▶導入しただけで終わっている
WBSを導入しても、運用方針や管理ルールを決めないままでは、利用されなくなってしまいます。どのように利用したらいいのかを提示することで、ユーザーにも具体的な利用イメージがわきます。そうすればより活用されるようになるでしょう。
▶担当者がいない
WBSツールを使っていると、管理項目の追加や拡張機能の利用などのカスタマイズが必要になるでしょう。これはWBSツールの利用に必要な管理(メンテナンス)と言えます。
しかしそれを取りまとめて実行したりベンダーに依頼したりする担当者がいなければ、実行することができません。そのままではWBSは使いにくい状態のままなので、使われなくなってしまいます。WBSを導入するときには、自社内にWBSの管理を行う担当者を決める必要があります。
また、作成したWBSを活用できないことも多いようです。それでは、WBSやツール導入の効果を上げることができません。そこには、次のような原因があります。
作成したWBSを活用できない原因
▶情報の粒度が大きすぎる、揃っていない
WBSを運用するときは、最終的にタスクの粒度を揃える必要があります。タスクの粒度が異なるとタスクの進行にかかる時間を予測しにくく、粒度が大きすぎると作業工数やリソースの把握がしにくくなるからです。
▶情報が古い
プロジェクト進行中には、タスクの追加・削除・修正、担当者の変更などが起こります。その場合はWBSを修正しなければなりません。しかし日々のメンテナンスを怠り修正しないでいると、WBSの情報が古くなり、現状に合わなくなってしまいます。これではWBSが利用されなくなってしまいます。
▶情報を詰め込みすぎている
WBSで把握できる情報には、タスクや担当者、作業内容などいろいろな種類があります。しかしすべての情報を一度に表示しては、細かいところが見づらくて使いにくいものです。
画面の拡大・縮小機能があればうまく利用しましょう。また、全体は大まかなブロックで示して各ブロックの詳細図を別に用意したりすれば、 全体を把握することもでき、細かい情報も見やすいWBSを作成できます。
きちんと活用するためのWBSツールの選び方
「WBSツールが活用できていない例」のようになることを避けるためには、次のようなポイントをおさえてツールを選びましょう。
▶柔軟に使える
ゼロベースで自社に合ったWBSを作成できたり、テンプレートを柔軟にカスタマイズできたりするなど、柔軟性の高いツールを選びましょう。実際に利用する現場社員が自由にプロジェクト設定の変更ができることも重要です。
▶直感的な操作が可能
マニュアルを読む必要がなく直感的な操作が可能なツールは、誰にでも使いやすく、現場でも受け入れられやすいでしょう。現場での教育期間を設けることなく、すぐに利用開始できるツールがあれば理想的です。
▶情報を入力しやすい
情報入力画面が使いやすいこと、入力時にミスが発生しにくいこと、画面遷移が少ないこと、情報の修正がしやすいことも重要です。
情報入力がしやすければ、細かな情報も入力しやすく、追加・修正などのメンテナンスもしやすくなるので、情報が古くなるリスクも小さくなります。また、モバイル端末からもアクセスできればより入力が楽です。
その他、一般的にツールを選定するときと同様に、次のような部分も重要です。
▶料金が予算内か
クラウドサービスでは利用人数で料金が変わってきます。予算内でおさまるかどうか、まずは見積もりを取りましょう。
▶必要な機能を満たしているか
クラウドサービスかオンプレミスか、多言語対応になっているかなど、自社に必要な機能を満たしているかを確認します。
ツールでWBSを作成するならツールの選び方が重要
進捗管理を適切に行い、プロジェクト全体をスムーズに進行させるには、WBSが重要です。プロジェクトの計画立案前にはWBSを作成しておきましょう。
しかしExcelでの作成にはかなりの手間がかかるため、プロジェクト管理ツールを導入すると便利です。プロジェクト管理ツールがあれば、WBSの作成だけでなく、プロジェクトの運用管理から完了までスムーズに進行させることができます。
プロジェクト管理ツールを使ってWBSを作成するなら、作成しやすく運用しやすいツールを選ぶことが重要です。また、作成したWBSには情報をこまめに入力し、常に最新の進捗状況を把握できるようにしておきましょう。そのためにも、メンテナンスしやすいプロジェクト管理ツールを選ぶことが重要になります。
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