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株式会社ヤナセ様
ペーパーレス化と業務改革を一歩ずつ!
HUE導入効果と今後の展望について
長年にわたりHUE Classicシリーズをご利用いただいている株式会社ヤナセ様。今回新たにHUE ExpenseおよびHUE Accounts Payableを導入された背景やその効果等についてインタビューさせていただきました。
ヤナセ様は、「最上質な商品・サービス・技術を、感謝の心を込めて提供し、“夢”と“感動”あふれる『クルマのある人生』を創ります。」という企業理念のもと、100年を超える歴史の中で培われた信頼と、お客様との深い関係性を基盤に、事業を展開されています。新車・中古車販売、アフターセールス、金融保険、モビリティなど多様な事業を通じて、お客様一人ひとりに寄り添う高品質な体験を提供するとともに、IoT社会におけるDXの活用など、自動車業界の急速な変化にも柔軟に対応し、さらなる付加価値の創出に取り組んでおられます。
■ 導入製品
・HUE Classic Financial Management
・HUE Classic Business Management
・HUE Classic Assets Management
・HUE Classic Cash Management
・Electronic Book Maintenance
・HUE Expence(以下、HUE EX)
・HUE Accounts Payable(以下、HUE AP)
インタビュー参加者:
左から 株式会社ヤナセ 経理部門主計課課長 玉木 行成 様、経理部門主計課 菅原 健治 様
【導入背景ときっかけ】
—はじめに、HUE EX/HUE APの導入背景ときっかけについて教えてください。
玉木様:
最大のきっかけは、2022年の電子帳簿保存法改正です。経理部門としても以前からペーパーレス化の必要性は感じていましたが、現場に一方的に押し付けるような形ではスムーズに進めるのが難しいと考えていました。また、もう1つの理由は、営業の立替経費精算の運用の見直しです。従来は、営業社員が領収書を各店舗の経理担当者へ渡し、その後の処理は経理担当者へ任せるような運用をしていました。しかし、そうした運用では業務が属人化しやすく、各店舗の経理担当者に負荷が偏っていました。そのため「自分の経費は自分で精算する」という方針に切り替え、各店舗の経理担当者が別の業務にも時間を割けるよう役割を見直したいと思っていました。こうした法対応の必要性と運用の課題改善を契機として、HUE EXおよびHUE APの導入を決定しました。
【効果】
—HUE EX/HUE APの導入効果について教えてください。
9万枚の領収書・15万件の請求書を電子化、現場の処理時間を削減
菅原様:
従来の経費精算は、営業社員が月初にまとめて領収書を提出し、店舗の経理担当者が紙の申請用紙に領収書を貼り付けて処理内容を記載していました。人によっては1申請あたり30分ほどかかるケースもある等、大きな業務負荷がありました。また、提出漏れへの催促や、古い領収書の用途確認等、都度発生するやり取りも手間になっており、経理担当者にとっては本来の業務以外の作業が非常に多い状態でした。
HUE EXを導入したことで、紙の領収証を申請用紙に貼り 付ける手間が不要になり、年間約9万枚のペーパーレス化を実現できました。また、これまで紙ベースで行っていた領収書・請求書の提出、確認、回覧といった一連の作業も電子化されたことで、月初の繁忙期でも業務を平準化しやすくなったと感じています。完全な早期決算とまではいきませんが、業務効率は向上していると思います。
玉木様:
当社では経費精算は経理部門が最終承認を担っているため、経費申請用紙を本社へ郵送する必要があり、その分タイムラグが発生していましたが、電子化によってそのロスが解消され、申請から承認までのスピードが大幅に向上しました。
請求書についてもHUE APを導入したことで、年間約15万件の申請においてペーパーレス化を実現でき、請求書処理のスピードが大きく改善しました。
電子帳簿保存法への制度対応を着実に実現
菅原様:
電子帳簿保存法への対応が予定通り完了したことで、大きな安心感がありました。改正対応は期日が決まっているため、準拠できるかどうかはプレッシャーも大きかったのですが、無事に要件をクリアできたことで、経理部門としても一つの区切りを迎えられたと感じています。
また、HUE EXのモバイルの活用については、営業担当が効率的に経費精算申請を行う手段として有効だと感じています。ただ、UI面でもう少し使いやすくなるとより良いと思っています。当社ではスマートフォンの操作が苦手な方も少なくありません。支給されている端末が小さいこともあり、現在は「スマホは写真撮影のみ、入力はPCで」という運用を基本としていますが、スマホで全て完結させたいというニーズも一定数あります。特に承認だけでもスマホで対応できると、利便性が高まると感じています。
【今後の展望】
—今後さらに改善したい業務課題や運用上の懸念点があれば教えてください。
菅原様:
請求書の受取方法が多様なため、スキャン作業の負荷が大きく、受取業務全体の効率化が課題となっています。今後はスキャン作業を最小限に抑える仕組みへの移行を目指しています。加えて、現在も原本と申請データを突合しての確認が必要な状況であり、原本廃棄が可能となる運用を目指して、内部統制の見直しも進めていきたいと考えています。
請求書の承認フローについても、電子化が進む一方で処理のしづらさが残っているため、よりスムーズに承認できる方法を模索中です。また、経費精算では経理部門が最終承認となっているフローを見直し、現場完結型にすることで、さらなる効率化を図りたいと考えています。
玉木様:
当社は経費精算や請求書に関する経理部門のチェックが非常に厳しく、かなりの工数を割いていますが、すべてを網羅的にチェックすることが必ずしも正解ではないと感じています。今後は重要性の観点で軽重をつけ、例えば少額の立替経費等は現場で処理を完結させ、経理部門は処理済みのデータから異常値の検知等を行い、空いた工数をコアな業務に充て、より経営判断をサポートするような役割にシフトしていきたいと考えています。人員も限られている中で、業務そのもののあり方を見直すタイミングに来ていると思います。
-導入プロジェクトに限らず、経理部門全体で今後取り組みたいことがあれば教えてください。
菅原様:
現在は領収書や請求書のペーパーレス化が実現できていますが、HUE Classicで利用している請求依頼や依頼計上等の処理についても、今後ペーパーレス化をしていきたいと考えています。最終的にはすべての経理業務をペーパーレスで完結できる状態を目指しています。
【メッセージ】
—ペーパーレス化や業務改革を目指す企業様へ、メッセージがあれば、お聞かせください。
玉木様:
HUEは本当に導入してよかったと思います。経理部門の紙文化から脱却する第一歩として、効果的だったと思います。すべてを一気に変えるのではなく、まずできるところから小さく始めてみると、現場の運用実態や無駄な作業に気づけるようになります。
菅原様:
システム導入の目的は、単に現行業務をデジタル化することではなく、それをきっかけに業務そのものを見直すことにあると思います。精算業務やチェック業務を本当に今のやり方で続ける必要があるのかという視点で考えると、効率化だけでなく内部統制やガバナンス強化にもつながっていくと感じています。
※本記事は2025年7月の内容です