チャットボット導入で企業が得るものは?目的と効果について解説
最近はさまざまなWebサイトでチャットボットが活用されるようになりました。24時間対応可能なチャットボットを、バックオフィスやカスタマーサポートへ導入しようと検討している企業も多いのではないでしょうか。しかし導入の目的がどのようなものか明確でなく、自社の課題解決につながるのか不安を感じているかもしれません。ビジネス利用を考えた場合、チャットボットはどのような目的で導入すべきなのでしょう。チャットボットを導入する目的別の効果と、導入時の注意点を解説します。
目次
チャットボットのビジネス利用で得られる効果
金融サービスやショッピングサイトなど、チャットボットが多様な場面で活用されているのを多く見かけるようになりました。最初に、チャットボットが企業にもたらす効果について解説します。
①さまざまな業務の効率化
チャットボット活用により、さまざまな業務の効率化を図ることができます。
▶顧客向け
顧客や一般消費者など、外部からの問い合わせに対し24時間対応が可能となり、同時に複数の問い合わせに応じることができます。
また、チャットボットの活用により顧客対応工数の削減が見込めます。顧客対応に工数が多くかかってしまっている場合は、教育工数の不足による回答の不均等が生じやすくなります。チャットボットを導入することで教育工数が捻出できるようになれば回答の質の均一化が図れます。そのため、担当者により答えが異なるといった事象の回避につながります。
▶社内向け
社内向けのヘルプデスク、ポータルサイトへの活用も有効です。単一の回答を速やかに行うだけではなく、蓄積されたデータを基にチャットボットが学習し、FAQの精度を向上させます。社内ポータルサイトの運用者が体感できる効果としては、社内事情に特化した案内が可能になることが挙げられます。また、ユーザーである従業員が体感できる効果としては、求めている情報を探しやすくなるということがあります。
顧客向け・社内向けにかかわらず、チャットボットと人による対応を組み合わせる例も多いです。問い合わせ内容の聞き取りや定型的な質問の応対をチャットボットに任せることで、対応時間の短縮、業務の工数削減効果が得られます。
②顧客対応やマーケティングに生かせるデータ収集
チャットボットはレポートによるデータの収集も可能です。
プロダクトサイトにおける新規顧客対応、会員専用ページにおける既存顧客対応、さらにオウンドメディアでは各コンテンツやページへの誘導役をこなします。対応を通じて顧客のニーズを満たし満足度を向上させる以外にも、潜在ニーズを読み解き、的確な提案を行うことが可能です。
またチャットボットに蓄積された顧客の声を数値化・可視化し、分析に活用できます。貴重なデータ収集の機会となり、さらなるサービス改善に役立ちます。
チャットボットの主な導入目的
チャットボット導入の目的は、自社における何らかの課題を解決することでしょう。どのような課題を解決することができるのか、課題とメリットを3つの視点から紹介します。
①現場の業務改善・効率化
▶疑問の解消に時間がかかり業務が滞る
業務に関連する疑問が解決できないことで、次の作業に移れないという状況を改善します。
▶ワークフローが不明瞭で混乱する
チャットボットの誘導により分かりやすい流れでの処理が可能となります。
▶問い合わせ対応が長引き業務に支障が出る
回答を探すのに時間がかかり、本来の業務になかなか戻れないといった事態を回避します。
▶同じような質問が毎日繰り返される
定型的な質問に対しては、チャットボットによる自動回答が有効です。
②不満の解消による従業員満足度向上
▶FAQシステムの稼働状況が悪い
現行のFAQシステムからより使いやすく、回答が得られやすいものへの改善が期待できます。
▶問い合わせる部署が分からない、もしくは回答を得るのに手間がかかる
チャットボットが問い合わせ先まで誘導します。また、チャットボットとの会話を通じ、スムーズに回答を得られやすくなります。
▶初歩的な質問がしにくい
対人の場合、あまりに初歩的な質問はしにくいことがありますが、チャットボットならば遠慮なく質問することができます。
③顧客満足度向上
▶深夜や祝日は対応していないといったように、問い合わせ窓口の営業時間が短い
チャットボット対応では24時間稼働が可能です。
▶電話するのが面倒・つながらない
デジタルコミュニケーションに慣れた層なら、電話よりも気軽に問い合わせしやすいですし、電話問い合わせで起こりがちな、「つながらない」という事態を避けることができます。そのうえで、電話と同じような対話形式で回答を得ることができます。
▶問い合わせメールの回答が遅い
リアルタイムでの回答が可能となります。
▶顧客が疑問を言語化できない・メールを打つのが面倒
よくある質問や項目を提示することで、疑問の明確化を助けます。また、短い会話のやりとりで回答が得られます。些細(ささい)な疑問も気軽に解消できるので、商品やサービスに対する満足度が高められます。
▶各コンテンツにおいて「見にくい」「動線が分かりにくい」などの不満がある
次にどこを見ればよいのか分からないといった疑問がチャットボットによって早期に解消されることで、Webサイトからの離脱を防止できます。
これらの課題を解決することが、チャットボット導入の目的となります。
経費や総務手続きの申請方法、テレワーク・在宅勤務に関する社内の問い合わせなど、一般的な質問についてもチャットボットでの自動回答が可能です。また人材育成についても、チャットボットとマニュアルをひもづけすることで、新入社員や中途採用などの社員の教育にかかる時間コストを抑制することができ、指導役となる社員の負担軽減が図れるでしょう。
チャットボット導入についての注意点
チャットボット導入に際して、導入成果を上げるための注意点を解説します。
▶チャットボット導入の目的の明確化
先にも示したように、チャットボットはさまざまな課題を解決に導きます。ただし、すべての課題を解決しようとするのではなく、課題(目的)に適したチャットボットの選定・運用をしなければなりません。社内向け、顧客対応、マーケティングなど、自社にとって課題となっている分野とそこで解決すべき課題を十分に見極めて導入することで、大きな効果を得られます。
例えば「業務効率化」「コストの削減」「顧客満足度の向上」「CVR(コンバージョン率)の改善」など、チャットボット導入における目的を明確にします。それによって、自社が求めるチャットボットを導入しやすくなるでしょう。
▶数値目標を設定・効果測定を行う
チャットボットの導入により確実な効果を得るためには、定量的な目標と効果測定が必要です。
効果測定を視野に入れた数値としては、チャットボット起動回数・対応件数・回答率と解決率・有人対応の減少数・チャットボット経由のCV(コンバージョン)などがあります。回答の最後に、満足度調査も入れることで、満足度を数値化することも可能です。
例えばコールセンターの場合では、問い合わせ対応の時間を「〇〇時間削減」人件費を「〇〇円削減」などと目標設定をすることで、効果の有無が明確になります。実現可能な目標値の設定によって、達成できているかどうかの状況判断を行いましょう。効果の遅れに対し、早期に気づくことで、改善に向けた迅速な対策が実施可能となります。
▶ユーザー視点を重視
チャットボットを導入しただけで満足しがちですが、最も重要なのはユーザー側のメリットです。問い合わせに対し確実に回答が得られるのか、ユーザーから見た場合の使いやすさはどうかといった点を重視した設計が求められます。
▶運用継続に向けた取り組みが必要
チャットボットによる事業への貢献度を上げ続けるためには、的確な担当者を設置し、正しい状況判断をしながら改善と精度向上に取り組んでいくことが大切です。状況に応じて有人対応の要・不要を検討し、ユーザーに不便を感じさせないような運用を心がけます。
▶導入・運用コストと効果のバランスを図る
企業として避けられないのが、費用対効果の検証です。予算枠との検討を十分に行い、導入・運用コストと効果のバランスを図っていきます。このとき、ランニングコスト・メンテナンス費用なども考慮に入れるのを忘れないようにします。
▶チャットボットの選択についての十分な検討
チャットボットには、大きく分けてAI搭載型と非搭載型があります。チャットボットの種類についての理解を深め、自社で必要とする機能から最適なチャットボットを選定していきます。
チャットボットの種類により、FAQの見直しや整備など必要となる準備が出てきます。チャットボット導入に向け、社内での体制を整えていきましょう。
※チャットボットの主な失敗原因や事例については下記をご覧ください。
「チャットボット運用が失敗するのはなぜ?問い合わせ対応を成功に導くためのポイントをまとめて解説」
「チャットボット運用失敗の原因とは?よくある事例から学ぶ成功への道」
チャットボットで業務負担軽減&ユーザーの満足度向上を目指そう
適切なチャットボットを導入することにより、現場にかかる業務負荷の軽減や、ユーザー・顧客の満足度向上が見込めます。さまざまな疑問解決や業務効率向上に役立つでしょう。一方で、導入にあたっては目的と効果について理解することが大切です。自社ニーズに適した形でチャットボットを選択・活用していきましょう。
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