購買
小島プレス工業株式会社
購買管理システム「HUE Purchase」導入でアナログ脱却から統制強化へ パンチアウト連携で年間1万時間削減、18万件の購買データを可視化
小島プレス工業株式会社様は、社是「和」を掲げ、「人をつくり 人をまもる」「対話と参加」を基本理念に、「人中心の経営」を実践されています。1938年の創立以来、金属部品の製造から事業を開始し、樹脂、電気・電子へと領域を広げながら、時代の変化を先読みして事業を進化させてこられました。
現在では、インテリア・ゼロエミッション領域における開発にも取り組み、その技術を基盤としてエンドユーザーと得意先のニーズに寄り添った製品企画を行い、未来のモビリティ社会に向けた新たな価値創造を進められています。
小島プレス工業株式会社様は、電子帳簿保存法への対応を契機に、グループ全体の購買業務を刷新するため、ワークスアプリケーションズ(以下、WAP)の購買管理システム「HUE Purchase」(以下 HUE)の利用を、2024年5月より開始されました。現在、小島プレス工業様を含むグループ28社でご利用いただいています。本記事では、導入背景から現在の活用状況、そして導入効果についてお伺いした内容をご紹介します。
小島プレス工業株式会社
事業戦略本部 調達部 調達管理室 室長 小田 謙作 様
調達部 調達管理室 資材課 本多 峻也 様
調達部 調達管理室 資材課 近藤 壮一郎 様
IT企画部 ITシステム室 システム1課 寺本 智哉 様
【課題・背景】電帳法対応が迫る中、グループ28社での購買システム統合を実現するHUEを導入
皆様のご担当業務、HUEとの関わりについてお聞かせください。
小田様:
当社の調達部は、直接部品と間接部品で担当部署が分かれており、私共の調達管理室資材課は間接部品の資材購買を6名で担当しています。HUE導入後はシステム管理やWAPとの日頃のやり取り、グループ内の統制や質疑応答、稟議案件の発注などを担当しています。また、グループ28社の社内インフラやシステム・アプリ開発、デジタル化推進を担うIT企画部には、HUEのシステム面での運用管理を主導してもらっています。
HUEを導入いただいた当時の背景や課題についてお聞かせください。
近藤様:
HUE導入前は、内製システムで購入依頼・発注・検収をしていましたが、グループ会社ごとに独自のシステムを使っていたり、郵送やFAXなどのアナログな紙運用が残っていたりと、バラバラの状況でした。加えて内製システムは電帳法に対応できておらず、帳簿・書類の電子保管体制が不十分だったこと、そしてグループとして最適購買ができているのかの把握が難しいこと等を踏まえ、新たな仕組みづくりが必要でした。
小田様:
内製システムの改修も考えましたが、グループ会社ごとに独自システムを使っていたこともあり、すべて電帳法対応ができていない状態でした。対応期日が迫る中、すべてのシステムを改修することは、コストとスケジュールの観点からも現実的ではありませんでした。そこで「オール小島」としてグループ28社共通の購買システムの導入を検討することになりました。
HUE導入の決め手はどのような点が挙げられますか。
近藤様:
他システムと比較検討する中で、電帳法対応はもちろん、ノーカスタマイズで運用できる点や、今後の法改正にも無償バージョンアップで対応可能な点、さらに日本の商習慣に柔軟に対応できる点が大きな魅力でした。さらに、費用面での優位性も採用を後押しする大きなポイントでした。
小田様:
加えて、当グループ特有の「かんばん」連携や商社連携といった要件にも対応できる点も大きかったと思います。さらに従来のシステムになかったパンチアウト連携、バーコード受入登録やWeb EDIなど、現場の利便性を高める機能が揃っていたことも魅力でした。また、実際に複数社のシステムを操作した上で、私としては一番使いやすいと感じました。
寺本様:
当社の要件に関するリクエストを矢継ぎ早にお伝えした際も、WAPの皆様には非常に迅速かつ丁寧に対応いただき、技術者の知識の高さと誠実さを感じました。他社と比較しても、「今後良い関係を築きながら進めていける」という印象を抱きました。また、管理項目の拡張性が高く、ガバナンス面でも安心できる点に加え、当グループの個別要件に対しても、Fit to Standardのスタンスで向き合っていただけたことが、選定の大きな決め手となりました。
【導入成功のカギ】グループ28社への展開を実現した、徹底したコミュニケーション
HUE導入にあたり、気をつけた点や進め方の工夫などをお聞かせください。
近藤様:
異なるシステムを利用していたグループ各社を、1つのシステムへ集約・移行する作業は想像以上の労力を要しました。特に、当グループ独自の業務を HUE上でどう実現するか、という要件定義の工程は大きな課題でしたが、 IT企画部を中心にバッチ連携を活用して対応を進めました。
また、グループ全体でHUEを運用するには、各社にしっかりと納得・理解いただくことが不可欠でした。そこで各社の推進担当者との定例会を週に1回設け、時に厳しい意見もいただきながら、方向性を1つにまとめていきました。定例会は50回以上に及び、毎回テーマを決めて資料説明や質疑応答を重ねました。各担当者が自社へ展開する立場になるため、複雑な業務はデモを実施し、実際の作業手順を見てもらうことで、理解を深めてもらいました。
定例会だけでなく、導入前にはグループ会社27社を直接訪問し、個別に説明して回りました。テスト環境を使ったハンズオン形式で操作を体験してもらい、現場の意見を汲み取るよう努めました。こうしたコミュニケーションを経て、契約から1年後の2024年5月に当社を含む2社で一次稼働し、同年7月に全社展開へと進めることができました。
プロジェクト推進の面で、難しかったポイントはどこにありましたか?
小田様:
導入プロジェクトリーダーを務めた私を含め、メンバーの多くはシステムの立ち上げ経験がなく、手探りで進捗管理を行っている状況でした。課題管理表をベースに期日を設定して推進したものの、対応項目が次々と増え、プロジェクトを推進するために優先度付けの判断が必要な場面もありました。当初の計画通りバランス良く進んだわけではなく、一次稼働のスタートは予定より2カ月遅れとなりましたが、丁寧な準備と適切な判断を重ねた甲斐もあり、立ち上げ時に致命的なトラブルが発生することはなく、スムーズなスタートを切ることができました。
【導入効果】リードタイム短縮と購買統制強化で最適購買の基盤を構築
HUEの活用状況や導入効果、課題解消状況についてお聞かせください。
近藤様:
導入から約2年が経ち、導入前と比べて購買発注金額も増えており、HUEの活用が確実に定着していると感じます。私が担当する稟議発注は、今年4月にHUEへ移行したばかりですが、ボタン一つで稟議注文書を送付できるようになり、アナログ作業からの解放感を強く感じています。
以前は、注文書は旧システムから印刷して三つ折りにしたうえで、住所を手書きした封筒に入れて糊付け・投函するという作業を、1日10件ほど行っていました。受領書も同様です。HUEの導入によって、これらの作業が大幅に効率化され、本当に楽になりました。
現場の社員からも、パンチアウト連携に対して好意的な声が多く寄せられています。発注や購入依頼がスピーディーに行える点や、二重発注の防止効果などが評価されています。また、今年4月から名刺発注もパンチアウト連携に切り替えたことで、納期が格段に早くなり、こちらも非常に好評です。
数字で見てもオール小島で効果が出ており、パンチアウト連携による工数削減は年間1万時間、アナログな郵送作業の削減で年間158時間という試算が出ています。さらに名刺発注で年間780時間、Web-EDIの活用で年間622時間の削減につながりました。また、オール小島で導入したことにより、これまで把握が難しかった年間18万件におよぶ購買データの可視化を実現しています。
ビジネス全般やITの視点から見た好影響についてはいかがでしょうか。
近藤様:
調達管理の立場から見たビジネス全体への好影響は2つあります。1つ目は、パンチアウト連携によるリードタイムの短縮です。従来は商社経由や二重発注の発生により納期が遅れがちでしたが、現在は早ければ翌日に商品が届くこともあり、調達スピードが向上しました。2つ目は、グループ全体の購買データがクリアになったことです。最適購買のための購買統制を進める準備が整いました。
寺本様:
IT部門の立場からも、HUEの導入が現場におけるDX推進に前向きに取り組む良いきっかけにもなったと感じています。データの可視化によって基盤が整ったため、今後は蓄積されたデータを活かして、いかに統制を推し進めていくのか、グループとして検討をしていくフェーズに入ったと考えています。
【今後の展望】購買データを活かした統制強化と、高付加価値業務へのシフト
HUEの今後の活用に関して展望やご期待などがありましたらお聞かせください。
近藤様:
WAPの保守の皆様には、日頃から迅速かつ丁寧にご対応いただき、非常に助かっています。一方で、社内からはさらなる利便性向上に向けた要望も寄せられているため、こうした改善要望について今後も一緒に取り組んでいただけるとありがたいです。当社が起点となってHUE自体が進化し、他の利用企業様にとっての使い勝手向上にもつながるような、より良い製品づくりをともに目指していきたいと考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
寺本様:
基本的な間接材はHUEヘ集約できましたが、グループ全体で一元化しきれていない領域も残っているため、全体の基準を見直す必要性を感じています。また、調達部門がシステムのオペレーション業務から徐々に解放され、本来取り組むべき高付加価値な業務へシフトしていくことが望ましいと考えています。こうした業務変革の推進についても、WAPからの継続的なサポートと提案に期待しています。
どのような課題を持っている企業にHUEをお勧めしたいですか?
近藤様:
まず、当社の稟議発注のようにアナログ方式で運用されている企業様には、HUEの導入で非常に利便性が高まるとお伝えしたいです。また、Web発注における二重発注に悩まれている企業様には、パンチアウト連携を強くお勧めします。多くのグループ会社をお持ちで、全社的な購買データの可視化や統制を目指す企業様にとって、当社の事例が参考になれば幸いです。
※本記事は2026年8月の内容です