Web記事業務効率化, AI活用
2026/09/28
AI利用率93%でも事業成果が出ない?ワークスアプリケーションズの成功と失敗から学ぶ、AI利用推進のリアル【5分でわかるセミナーレポート】
本記事は、株式会社ワークスアプリケーションズが2026年8月25日に開催したWebセミナー「ワークスアプリケーションズの成功と失敗から学ぶ AI利用推進のリアル~事業インパクトをもたらす、社内AI活用の舞台裏~」の要点をまとめたセミナーレポートです。約1時間のセミナー内容を凝縮し、5分で把握できる形式でお届けします。
目次
【セミナー概要】ツール定着の次の一手に悩むAI推進担当者へ
全社員へChatGPTを配布し活用率93%を達成したものの、一見成功に見えるその数字の裏には「ツールは使われているのに事業インパクトが出ない」というリアルな課題がありました。
本セミナーでは、そこからどのように取り組み、「業務・事業に本当のインパクトをもたらすAI活用」へとシフトしていったのかを解説。単なる成功事例にとどまらず、現場の抵抗や上層部の期待とのギャップといった本当の壁を乗り越えた解決アプローチをお届けします。
【登壇者】
株式会社ワークスアプリケーションズ
CEO Office General Manager
Saito Shotaro
本記事の要点
- 全社員へのAI配布で高い利用率(93%)を達成しても、それだけでは直接的な「事業インパクト」に繋がらない現実。
- 個人の効率化を超えて事業成果を生み出すには、浮いたリソースの再配置を含めた「プロセス全体の再設計(マネジメント)」が不可欠。
- プロセスの再設計を加速させる手段として、AI標準搭載のERP(HUE)や、既存システムを変えずにAIを外付け構築(OXYG)することが有効。
ワークスアプリケーションズの成功と失敗から学ぶ、AI利用推進のリアル
AI利用率93%でも「事業成果」に結びつかない現実
ワークスアプリケーションズでは、全社員がAIを使える環境を整え、週次でのアクティブユーザー率93%以上、平均して週に約5時間の業務削減という成果を記録しました。
しかし、社内全体で毎週約5,000時間が削減されたにもかかわらず、それが直接的な事業成果や経営指標の向上に結びついていると答えるのは困難でした。削減された時間の多くは「調べ物をさらに深掘りして品質を上げる時間」や「残業でカバーしていた業務を定時内に終わらせるための時間」に充てられていたためです。
さらに、AIツールを配ればすぐに加速度的な成果が出るかというとそうではなく、プロセスのアンマッチや学習コストによって一時的に業務効率が下がる局面もありました。この「期待と現実の生産性の立ち上がり方」のギャップから、AI活用を後回しにする人も出てきました。
「配ったか(導入率)」という入り口の指標は合格点でしたが、それを「価値提供(事業インパクト)」へシフトさせるには、ただ配っただけではダメだという現実に直面しました。
個人の効率化を超え、事業成果を引き出す「業務プロセスの再設計」
個人の試行錯誤や作業短縮だけに依存していては、全社規模の事業成果には届きません。個人の業務効率化を組織の成果へ変えるには、浮いたリソースを別部門の支援へ回すなど、部門を超えたプロセス全体の再設計(マネジメント)が不可欠です。
単なるツールの活用から「プロセスの再設計」へシフトするため、組織として以下の3つの視点への切り替えを行いました。
- 「何をやめるか」を明確に決める
既存の作業手順をそのままAI化するのではなく、不要なプロセスやルールそのものを削ぎ落とす。 - 部門最適を超えてリソースを差し出す「組織的マインド」
自部門内での効率化にとどめず、他部門の支援や全社的な優先課題へ生まれた工数を拠出する。 - 現場の努力で生まれた余力を「再配置」する裁量者の覚悟
現場が生み出した余力時間をうやむやにせず、事業数値を動かす重要領域へ戦略的に再配分する。
「業務プロセス変革」により事業成果を生み出した実践事例
「まずはAI前提で業務プロセスを組み替える」思想へと全社でシフトした結果、個人の作業短縮を超えた具体的な事業成果が生まれ始めました。
実践事例①:内部監査業務の再構築
膨大なチェックタスクをひとつずつAIに寄せ、1人あたりの生産性を1.8倍に引き上げ。

実践事例②:社内Wikiエージェントによる手続き最適化
申請ルールを探す時間を削減するだけでなく、稟議の「完全自動起案・下書き保存」までプロセスを自動化。

実践事例③:タスク管理の自動化・秘書化
議事録・メール・チャットに分散した情報を1つの管理表へ自動集約し、チーム全体のタスク管理精度を向上。さらに、日報・週報、ブリーフィング資料を自動生成し、まるで秘書がついたかのようなプロセスへと刷新。

業務プロセスへのAI組み込みを実現する「HUE」と「OXYG」
AI活用を進める中で多くの企業が突き当たるのが、「業務フローへどう組み込めばいいか分からない」「プロンプト作成など現場のスキルに依存してしまう」という課題です。
こうした壁を乗り越え、意識せずとも業務プロセスにAIが自然と組み込まれた状態を作るため、ワークスアプリケーションズでは2つのソリューションを提供しています。
業務に自然とAIが溶け込むAI搭載型ERP「HUE(ヒュー)」
会計・SCM・それらを支えるプラットフォームに、最初からAIを標準で組み込んでいます。大手企業のノウハウを元に生成AIの組み込みを強力に推進し、様々な業務シーンですぐに、実務的に使える機能を数多く提供しています。
HUEのAI機能例
- 残高照会分析AI:膨大なデータを生成AIで分析し、データの要約や異常値の検知等が可能
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入金消込AI:自動入金消込・手動入金消込に加えて、AIによる消込を提供
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耐用年数提案AI:ナレッジと経験が求められる耐用年数の判定を、入力内容に応じてAIが推定
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MCP対応:CopilotやClaude等、外部のAIエージェントからHUEを自在に操作
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AI承認者:AIが現場からの申請の前裁きや、ルールに従った代理承認まで実行 等

これらを標準機能として提供することで、「すぐに使える」「安心して使える」「成果が出やすい」体制を構築できます。
「HUE」のAI機能:https://www.worksap.co.jp/hue/ai/
既存システムにAIを外付け構築する「OXYG(オクシグ)」のDWaaS
「基幹システムをすぐに刷新するのは難しい」という企業様向けには、既存システムを変えずにAIを活用できる「DWaaS(Digital Worker as a Service)」を提供しています。
既存システムの画面操作やシステム間の情報連携をAIエージェントが代行・接続するため、大規模な開発やシステム移行を伴わずにプロセスの再設計が可能です。AIの知見を持ったコンサルタントが伴走支援するため、自社にノウハウがない場合でも安心して導入いただけます。
「OXYG」のDWaaS:https://www.worksap.co.jp/oxyg/dwaas/
AI利用推進の本当の壁とは?
セミナーでは、多くの企業が全社推進で直面しがちな課題を、対談形式で徹底的に掘り下げています。ここでは、その内容を分かりやすくQ&A形式に要約してご紹介します。
Q. 「忙しくてAIを試す時間がない」というジレンマをどう解消すべきか?
A. 特別な時間を作るのではなく、日常業務の初手を「まずはAIでやる」規律に固定します。
検証のためにまとまった時間を確保しようとするのではなく、「60点の完成度でまずはAIにプロトタイプを作らせる」姿勢を徹底します。最初の1歩目をAIに任せることで、結果的に時間を生み出す体感を現場に持たせることが近道です。
Q. 上層部の過度な「期待」と現場の「現実」のギャップ(軋轢)をどう埋めるか?
A. ツール配布だけでは効果が出ない「生産性の立ち上がりギャップ」を構造として伝えます。
「配れば勝手に効率化する」という誤解を解き、一時的な効率低下やプロセスのアンマッチが起きる前提を経営層と共有します。現場の努力だけに頼らず、浮いたリソースをどこへ再配置するかまで裁量者が覚悟を持って決める姿勢が求められます。
Q. 既存プロセスへの固執(消極感)をどう打破するか?
A. 「どう効率化するか」ではなく「そもそもこの業務は必要か」と問い直します。
「AIにやらせるのが難しそう」と感じる複雑な工程こそ、プロセス自体を廃止・見直すチャンスです。ツール起点ではなく、「業務のあるべき姿」を先に提示し、旧来のやり方の存在意義そのものを疑う視点を持たせます。
Q. AI活用推進にあたって最も注意すべきことは何か?
A. 「全社員にツールを配ったこと(導入率)」を成果と勘違いしないことです。
利用率93%を達成しても、浮いた時間を「調べ物の深化」に消化されてしまえば事業成果には直結しません。「配布」はスタート地点に過ぎず、部門を超えたプロセスの再設計(マネジメント)までやり切ることが真のゴールです。
まとめ|無料アーカイブ動画のご案内
AIは単なる自動化ツールではなく、業務のあり方を根底から見直し、高速でチャレンジを繰り返すための強力な武器です。しかし、成果を最大化するには個人の工夫に任せるだけでなく、推進者やマネジメント層によるプロセスの再設計と適切な指導が不可欠です。
レポートで紹介した事例の詳細や、具体的な推進ノウハウについては、以下のセミナーでより詳しく解説しています。ぜひ、あわせてご視聴ください。