インタビュー参加者:
株式会社ハマスピ 代表 小山守弘様(右)
株式会社ワークスアプリケーションズ 財務本部長 渡邉佑介(左)
効率化に期待して活用を提案
—デジタルインボイスを使い始めた経緯についてお聞かせください
ハマスピ 小山様:
2024年11月からデジタルインボイスを使い始めました。ニュースなどで知って、バックオフィス業務の効率化やDXという点で、以前より興味をもっていたところ、自社で使っているサービス「マネーフォワード クラウド請求書」が、デジタルインボイスの送受信に対応していることがわかり、使ってみようと思い立ちました。
日本ではデジタル庁主導のもと、デジタルインボイス推進協議会(EIPA)が民間の立場から普及に取り組み、WAPはEIPAの幹事法人をつとめています。
ハマスピ 小山様:
当社が定期的に請求書を発行している取引先の一つがWAPです。WAPは取引先との請求書送受信に自社サービスの「HUEデジタルインボイス」を利用しています。これまでは電子メールにPDFファイルを添付してやりとりしていましたが、昨年10月、WAPの担当の方にデジタルインボイスの利用を持ちかけました。
WAP 渡邉:
WAPのクラウド請求書送受信サービス「HUEデジタルインボイス」は、PDF形式はもちろん、デジタルインボイスの送受信も可能です。
小山様からの提案は、当社製品および、取引先様も含めた一連の業務フローをよりよいものへと磨き上げていく貴重な機会だと思い、一緒に取り組みを開始しました。
紙と電子ファイルでのやり取りが混在するハイブリッド運用はもちろん、標準仕様のPeppolにも対応しているため、取引先がデジタルインボイス対応サービスを利用していれば、異なるサービスとの間でも請求書の送受信ができます。請求書受取代行サービスを活用してまずは請求書業務のペーパーレス化を始めることもできます。
簡単な設定で送信 受信側もID管理の手間省ける
—実際にデジタルインボイスに変えてみていかがでしたか。また、どんな効果がありましたか。
WAP 渡邉:
新型コロナの影響によるテレワークと、インボイス制度の導入が重なり、請求書送受信サービスが多数登場しました。ペーパーレス化は進んだものの、受領側にはいまだ多くの課題が残っています。
WAPは月間300件の請求書を、取引先ごとに異なる15~20のサービスを通じて受領・管理しており、各サービスへのログイン、請求書のダウンロード、自社システムへのアップロード、支払処理への転記・チェックといった煩雑な作業が発生しています。複数の請求書サイトに都度アクセスする必要があるため、抜け漏れなく管理するだけでも大きな手間となっています。
一方、デジタルインボイスを介して受領しているハマスピ様の請求書は、入力されたデータをそのままHUEデジタルインボイスで直接受信できます。異なるサービス間でスムーズにデータをやり取りできるデジタルインボイスの特長を生かし、業務の効率化に繋がりました。
ハマスピ 小山様:
送信については、メールでPDFファイルを送る手間とほとんど変わらず、必要な準備はPeppolのID取得とシステムの設定のみです。ID取得はネット上での手続きだけで済みましたし、設定もマニュアルを見ながら簡単にできました。
後続のシステムと連携、さらに効率化めざす
—今後の展開についてお聞かせください。
ハマスピ 小山様:
デジタルインボイスを使えば世の中のむだがなくせると思っています。ほかの取引先との間でも利用したいと思っていますが、相談してみると「Peppolってなに?」と聞き返されることが多いのが現状です。まずデジタルインボイスやPeppolの知名度が上がっていけばいいと思っています。
WAP 渡邉:
デジタルインボイスのメリットは請求書の送受信にとどまりません。請求書に記載されているさまざまなデータをそのまま活用できるため、システムへの入力や計算といった後続業務も効率化することが可能です。
WAPでは支払依頼業務も自社製品のHUEで運用しているので、同じHUEシリーズの「HUEデジタルインボイス」と連携することで、受け取った請求書の内容を支払処理にそのまま反映できます。今後、デジタルインボイスで受け取る請求書の数が増えれば、後続の支払業務における金額や取引先情報の入力作業は大幅に削減されます。そのときこそ、EIPAが掲げる“請求から「作業」をなくそう”が実現できると思います。
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