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経理業務におけるRPAの活用事例や注意点は?

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「RPAなくしてITトレンドは語れない」と言って過言でないほど、ますます注目度を増してきたRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)。

本記事では、経理業務にフォーカスし、実際にRPAの活用事例を紹介しながら、RPAの活用を検討すべき業務領域やその際の注意点など、RPAを検討する際に必ず知っておくべきポイントを解説します。

経理業務のRPA化事例をご紹介
――伝票作成、最安値チェック、メール送付まで

RPAを活用できそうな経理業務は多岐にわたります。経理業務、特に財務会計に関連する業務は繰り返しの業務が多く存在するためです。しかし、RPAを活用する業務の見極めを誤ると、せっかくのRPA導入が徒労に終わってしまいます。

実際のところ、他社ではどういった業務領域で活用されているのでしょうか。「転記業務」「チェック業務」「集計・出力業務」など、いくつかのRPA化事例を紹介しましょう。

RPA活用事例①:伝票の転記業務を自動化

1つ目のRPA活用事例は「売上伝票を振替伝票として起票する」転記業務。 営業部門によって販売システムに入力された売上明細を出力し、フォーマットを変換、会計システムに売上伝票として再度入力(取り込み)をする、という経理部門の業務をRPAで自動化しました。

システム間連携は、専用のインターフェースプログラムを作成することで、実現できる場合もあります。しかし、インターフェースプログラムの開発にはデータベース、ネットワーク、バッチ処理など、専門の技術の習得が必要です。 そこで、RPAの活用もシステム間連携を実現する一つの代替手段になりえるのです。RPAと表計算ソフトの組み合わせで、多くのシステム連携処理やデータ変換処理は実現できます。

分かりやすいRPAツールを活用することで、技術習得のコストを最小限に抑えながら、業務効率化を実現できるのです。

RPA活用事例②:近距離交通費の金額チェックを自動化

続いての事例は、「従業員の申請した交通費が適切かWEBの経路検索で確認する」チェック業務。従業員が会計システム上で入力した申請情報をチェックリスト化し、1件ずつ、インターネットの経路検索ソフトで支払ルールの範囲内となっているかを確認するという業務をRPAで自動化します。

ーー例えば、出発駅、到着駅を申請リストからコピーし、経路検索にて検索を実行。検索の結果出てきた金額や乗換回数を再度コピーし申請リストに貼り付ける。申請金額と検索結果金額が大幅に異なれば、「確認フラグ」をつける。 そのほかにも、経路と申請金額が一致しているか、乗換回数が変わらないのに金額の高い経路を申請していないか、といった骨の折れる突合作業も、RPAであれば疲れを感じることもなく延々と繰り返してくれます。

RPA活用事例③:帳票(請求書)作成業務を自動化

「会計システムから請求書を出力して、メールに添付し宛先を指定して送付する」という業務を自動化した例もあります。 営業部門が会計システムに入力した請求依頼情報をもとに経理部門が請求書を作成し、それをメールにて取引先に送付する業務を自動化しました。 宛先や添付ファイルを決して間違えてはならない請求書送付業務。単純作業の繰り返しであっても、ミスが許されない業務を安心して任せられるのも、RPAの魅力です。

そのほかにも入金データの照合・消込業務や、レート・銀行データなどのマスタデータを更新する業務など、様々な事例があります。

自社の業務にRPAが活用できるか?を検討する際は、デモンストレーションを確認するのがよいでしょう。

RPAのデモンストレーションを確認し、パソコンの中の「ロボット」が勝手に動いて、業務を自動化してくれている様子を実際に見ることで、自社のRPA活用のアイデアを広げられるといったこともあるでしょう。

RPAは経理業務改善の1つのツールにすぎない

様々な経理業務の自動化を実現でき、魅力的なRPA。しかし、RPA化だけが業務改善の方法ではありません。 ここで、経理業務の負荷削減のためのアプローチについて考えてみましょう。

経理業務の負荷を削減するための3つのアプローチ
  • 現状のリソースのなかで改善を図る(運用変更、現行システムの活用など)
  • 新たにツールを導入し、自動化範囲を広げる (システム改修、RPAの導入など)
  • リソースを増やす、外部に代行させる(アウトソース、増員など)

この3つの選択肢があったとき、どのアプローチを優先して採用すべきか、あらかじめ検討しておくべきです。

新規にツールを導入する、あるいは増員を図る、アウトソースを利用するには、多少なりともコストが発生します。まずは、現状のリソースの範囲内で改善できないかを考えるのが、投資対効果の面からみて、最適だといえます。「運用変更や現行システムの活用では対応できない」という結論が出て初めて、他の選択肢を考えてみるのです。

RPAありきで考えず、また、いくら安価に見えてもRPAには導入・運用コストがかかることを理解した上で、適切な解決策を採用しましょう。

RPAの弱みを理解する

RPAにも弱点があります。それは、“変化に弱い”ということです。たとえばバージョンアップや法改正による社内システムの仕様変更、ウェブサイトのレイアウト変更など、少しの変化でメンテナンスが必要になります。そうしたデメリットを踏まえた上でRPA化の範囲を決めるべきだといえるでしょう。

システム改修やプログラミング開発には労力やコストがかかりますが、少しの変化で使い物にならなくなるRPAロボットをたくさん作り続けるよりは安く済むケースもあります。いずれにせよ、


1. まず改善したい業務を考え

2. RPA化に頼るべき業務がどれだけあるのかを俯瞰し

3. システム改修・設定変更とRPAロボットの作り直しではどちらがコストをかけずに変化に対応できるかを考える

という手順で考えていくのが最終的な業務改善を実現するコツです。

なお、十分な標準機能がある会計システムを利用することで、RPAの活用範囲を限定することができます。 例えば、COMPANYにおいては、以下のような機能を標準搭載しています。

経過勘定振替の振り戻しを未来日付で
予約しておくことが可能です。
※翌期初やXヶ月後の振り戻し予約など

長期前払費用の長短振替・費用化計上処理の
自動化が可能です。

財務報告資料に必要となる、今期末残高や
前期末残高等のデータ抽出・統合処理を
外部加工なく行うことが可能です。

RPAはあくまで業務システムを補完する手段の一つであることを理解し、活用場面を見極めることが重要であるといえます。

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